第4話 ドラゴンの国

俺はドラゴンの背中にいた。


リハビリのお礼も兼ねてドラゴンの国まで運んでくれるというのだ。


「じゃあ、少し飛んでいくぞ」


そう言うとドラゴンは空高く飛び上がった。


ドラゴンの国までは1時間くらいかかるらしい。




「ドラゴンの国ってどんな国なんだ?」




「我の国はドラゴニアという由緒正しい国なのだ」


ドラゴニア……いかにもドラゴンの国って感じだ。




「その由緒正しい国の王様がなんであんな街にいたんだ?」




「我はエルフの国の戦士を撃退するためにあの街にいたのだ」


エルフの国とドラゴンの国は昔から仲が悪く、争いが絶えないらしい。




「最初からこの姿で街に乗り込んだのか?」




「我もそこまで馬鹿じゃない、人間の姿になっていたぞ」




どうやらドラゴンは自由に姿を変化することができるらしい。




「人間の街で人間の姿になって何をしていたの?」


「情報収集だ……我らの敵となるであろうエルフの国の情報を集めていた」




「敵?戦争でもしているのか?」




「……我らとエルフ族は何百年もの間、敵対関係にある」


それはまたすごい因縁だな……


「でも、人間の姿になるのは危ないんじゃないのか?」


「なに、大したことではない……人間の姿でも魔力や力はドラゴンのままだからな」




そんな他愛もない会話をしているとドラゴンの国に到着した。


ドラゴンの国の門には綺麗な女性が立っていた。




「お父様!よくご無事で!」


「うむ、この方に助けてもらった」




ドラゴンは僕を降ろすと女性に話しかけた。


「ドラゴニア王国の国王様がご帰還です!」


すると、女性は大きな声で叫んだ。


「国王様がご帰還されたぞー!」




すると、門の中からたくさんの兵士や国民が出てきた




「国王様ー!」




たくさんの歓声に俺は少し驚く。


「もしかして、お前って?」


「そうだぞ!我はドラゴニア王国の国王だ!」


改めてドラゴンの凄さを実感した。




そして、俺達の目の前に一台の馬車が止まった。


「乗ってくれ、我が城まで案内しよう」


ドラゴンは人間の姿に変化する。




そして、俺とドラゴンと綺麗な女性はその馬車に乗り込んでいく。

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