異世界転移しちゃった?
エミリー
第1話
「ここはどこ? 私は私。さっきまで普通の町中を歩いていたんだけれど……」
辺りを見渡すと、木、木、木である。近くに草原もある。
「森と草原…? 何だか見ちゃいけない、現実逃避をしたいくらい立派な建物が遠目に見えるのは、気のせい?」
森の向こうに立派なお城が見えるのは、気のせいだと思いたい。今までいた現実世界の日本に、あんな城は見たことが無い。多分外国にも無かった。
つまり……。
「い、異世界に…。来ちゃった?」
信じられないが、そう思ってしまう。知らない間にどこかの田舎にでも来てしまったとも思いたいが、
「何あれ、木が自分で動いてる……」
重機を使って、動かしているわけでもなく、木が自ら根っこごと、どこぞへと向かっている。この光景を見たら、自分が日本にいるとは思えない。
「そういえば文代ちゃんが最近、異世界転移や異世界転生が今、流行っているって…。いや! それは漫画とか小説の話しのハズ」
文代ちゃんは私と仲良しの友人だ。よく本を読んでいて、私でも読めそうなお勧めの本を貸してくれる。本を読むと眠くなってしまう私だが、貸してもらう本は私にとても合っていて面白く、完読出来てしまう。流石文代ちゃん、私の好みを分かっているな!
「それにしても、今の私の持ち物って……」
近所の店を回るつもりで、財布や携帯などいつもより荷物を減らしてしまった。普段持ち歩いている物が、異世界で役に立つかは分からないが。
「私、これからどうすれば良いの?衣食住は大事だし、異世界って魔物? がいるのが定番って文代ちゃんが言ってた!」
文代ちゃん情報だと、異世界転移して魔物に襲われるところから物語が動き出すそうで。
「いや! わざわざ襲われたくないし。平和な感じでなんか、なんとかならないかなぁ〜っ!」
私のよく分からない、多分異世界転移?は始まったばかりである。
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