contact21―ドワーフと襟裳岬を巡る―

ずっと脱出ばかりを追っているルリアンナ。

あの廃墟で暮らして月日は、いかばかりか経っているのか。

彼女は日本ここを住んでその魅力を知らない。


「とはいえオレも知らないから図書館に来てみたものの、フッ。見て回れる楽しいところオレも

よく知らないぜぇ。

うわああぁぁーーーっ!!」


「ここは学校の図書館です。お静かに」


「す、スイマセン」


ミステリー系の本を読んでいた図書委員長に叱られたオレは頭を下げて謝り、本棚を歩いて回る。

最近の若者は読書離れなんかしているとニュースや動画でもあるが意外にもそうでもない。

放課後の時間帯になるとテーブルに他の生徒が本を広げて読んでいたり自主的に勉強のために参考書をいくつか重ねて置いたりしていたりする。


「ここが進学校もあるだろうけど蔵書数がとんでもなく揃えているのは有り難い。

観光旅行の雑誌やガイドブックまであるんだから

困りようがねぇ!」


こちらから表を出すようにして本を立てて横にした背表紙せびょうし、タイトルにビビッと来たら手にしてはページを流しで目を通す。

どこへ回るか検討もつかない。

やや難題だぞ、っと少々これには困りながらもオレは楽しんでいた。


「だって遊びに出掛けるんだ。

心を飛び跳ねるだけの楽しんでいるのが成功率だって上がる」


ルリアンナを楽しませるために突如としてオレが決めたこと。オレが楽しまずにしてどうやって

ルリアンナを楽しいと言わせる!、

分からないなら。


「とにかく知識を増やせば問題解決になる!」


しかし知識を蓄えようにもどこへ行くか迷ってしまい予算も考えないといけない。

どうするかと本を眺めている。すると違う色をした

背表紙が並んでいるのは見ていてインテリアとして優れているなと感嘆させられる。


「北海道を出るとしてルリアンナが長距離まで大人おとなしく言うこと効いてくれないだろうなあ。

そうなれば出るとしたら地元の近くまでにが妥当になるか」


ブツブツと言いながら思考する頭を整理して歩いていると近くの周りは奇異な目を感じる。

不気味なのはオレも同意見。

どの角度からオレを客観的に見ても怪しいし近寄りたくはないはずだし。


「そうなれば美しい自然の景色になるか。

えりも町なら。

よし、思い立ったが吉日だぁぁぁぁーーッ!」


「あの、ここは他の人も利用しているのです。

お願いですから静かにしてくれませんか」


「ホントー、すみません!!」


またも受付の席に腰掛けている図書委員長から叱責を食らう。

オレは貸し出しの本をいくつか選んでから図書館を

後にするのだった。

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