全焼同居

@kalnal1122

1話 全焼

 俺の名前は「樹鎧 蒼優」

「じゅかい そうや」という。


 どちらかと言えば頭の良いほうで運動も割とできる。


 だか、物静かな性格と鋭い目付きのせいで人が近づかないため日々クラスの端で読書に励む高校二年生だ。まあ物静かって言ってもコミュ障なだけで結構話しはする。


 俺は両親が(仕事の都合上)海外に居る

ため一人暮らしをしていた。(両親は日本生まれの日本育ち)


両親からは一人暮らしするには十分すぎるほどのお金は貰っていたため、生活には全く困ってなかった。


 今日もいつも通り学校に行く準備をする。

ゴミを出し、弁当を作り(うちの高校は給食弁当 どちらでもOKだが、弁当の方が金銭的に楽。)、制服を着て、家を出る。


 ふと隣に目をやると、同じタイミングで出てきた隣のクラスの、、、確か、、、

「岳雅 奏 」「たけみや かなで」

だった気がする。と、目があった。


(勉強は上の下くらいの優等生だが、運動はどうなのか分からない。俺と同じで物静かなのか人と話しているのを見たことがない。)


 お互い軽く会釈(えしゃく)をしてから同じ階段を使い下へ降りる。↓

(俺と岳雅さん は二階建てアパートの二階に住んでいる。)


 そのまま高校までの約2kmの道のりを歩く。


 その間、俺と岳雅さんの間に会話はなかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 学校はとても退屈だ。

既に家で予習済みの 数学や理科、社会に英語。国語に関しては常日頃(つねひごろ)から本を読んでいるため勉強するまでもない。


 辛うじて(かろうじて)実技は予習していても実際で出来るとは限らないため少しは楽しめるが、それでも一人暮らしの身としては裁縫も料理も出来るため、やっぱり暇だった。


今日も退屈な学校が終わった。


 やっとだ。やっと家に帰れる。帰って、今日の夜食はどうしよう?金曜日だからカレーにしようかな。そしたら土・日 曜日楽だしな。


 そういうことを考えながら帰路(きろ)

につく。


 すると横を消防車が唸りながら(うなりながら)走り去っていく。


春になったとはいえまだまだ乾燥しているからな。


 気を付けないと家(アパート)もいつ火事になってもおかしくはない。


特に今日はカレーだから、火をつけっぱなしにする。気を付けよう。




先程(3行前)「気を付けよう。」と言ったな。前言撤回だ。


何故かって?理由は至ってシンプル。


家(アパート)が全焼しているため気を付ける以前の問題になってしまったからだ。


一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

蒼優「それは無いぜ」


俺は泣きそうだった。高校生とはいえ、一人暮らしなのに家が全焼したら流石に泣くぞ?


 グシャ


蒼優「ん?」


下を見ると鞄が落ちていた。

そのまま視点をあげると綺麗な足、スタイルの良い身体、少し光っている首筋、その後にモデル顔負けの綺麗な顔(黒髪ハーフアップ)があった。岳雅さんだ。綺麗。


奏「嘘…」


…そりゃそうだ。


だって帰ってきたら家(アパート)が全焼してるんだから。


奏「えっ?あれ?場所間違えたかな?」


蒼優「まずは鞄を拾えよな。」


俺はそういって岳雅さんの鞄を拾い、渡す。


奏「えっ、あっ、ありがとう…えっと?」


蒼優「俺は樹鎧蒼優だ。隣人の名前くらい覚えてくれ。まぁ、もう隣人ではないけども」


奏「あっ、そうだったね。ありがとう蒼優君」


そういって岳雅さんは鞄を受けとる。


蒼優「岳雅さんはどうするの?」


奏「どうするの って?」


蒼優「これからだよ。家が全焼したんだぞ。家族は無事なのか?」


奏「私は一人暮らしだから大丈夫。」


蒼優「あっそうなんだ。」


奏「そうだよ。私の家を私以外が出入りしてるのみたことある?」


蒼優「そんなに人の家をジロジロ見る趣味はないぞ」


奏「だろうね。無いって返事したら警察呼ぶところだった」


蒼優「あっぶな。危機一髪じゃん。」


奏「でもそうだよ蒼優君が変態じゃなかったらいいだけの話だからね。」


蒼優「まあそうだな。」


奏「それで蒼優君の家族は?」


蒼優「俺は家族全員海外に居て一人暮らし。親戚は知らない。」


奏「蒼優君も一人暮らしなんだね。」


蒼優「ああ、そうだよ。」


奏「どうしようか?」


蒼優「それなんだよな~…」


ぶっちゃけ、行く宛(あて)が無い。


蒼優「何を持ってる?」


奏「まず学校に各教科の持ち物は全て置いてあるから、筆箱 水筒(余り入ってない) ノート(三冊) 上着 お財布(2万円)かな。その他の着替えとかは燃えちゃったと思う」


蒼優「お金は?」


奏「今持ってる2万円以外は全部銀行だから大丈夫。」


蒼優「そうか。俺もそんな感じだ。」


そういいながら鞄を探る。やっぱりそれだけだ。あぁ、俺の戦闘力1300万いきそうだったスマ〇ラが…


蒼優「とりあえず、今日泊まるところはどうしようか?」


奏「そうだね…」


蒼優「ホテル?」


奏「…え///」


「え」と言って顔を赤くする岳雅さん。


あれ?俺何か言っ…あっ。


蒼優「いやっ?!違うんだ!誤解を招く言い方をして悪かったが俺に邪な考えは一切ないんだ!信じてくれ!」


奏「凄い必死だね。まぁ良かった。少し驚いちゃった。」


蒼優「驚いただけか?」


奏「意地悪なこと言うね?」


蒼優「結構良い性格してるだろ?」


奏「ほんとに良い性格してるね。まぁ良いや。とりあえず部屋は別にするのは前提としてホテル行こうか。」


蒼優「ああ、そこしかないからな。」


そう言って俺と岳雅さんは歩きだした。


一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

 どうも。作者のカルナルです。


 はじめてのカクヨム投稿のためどうなるか分かりませんし、今年受験生だから投稿頻度も遅いですが、慣れないながらも頑張りますので暇な方は是非感想を教えてくれると有り難いです…

 次回をお楽しみに〜

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