おひさま色の

 窓を開けると、黄色の洪水だった。

 昨年秋に植えたパンジーが、寒い冬を乗り越えて、今が盛りと咲き誇っていた。


 クリーム、黄色、オレンジ、多彩な黄色が重なって、ぎっしりと、花壇いっぱいに詰め込んだように。


 朝露にぬれた花びらが、太陽の光を反射して、まぶしいほどに光っていた。

 金の粉をまき散らしたように、キラキラ、キラキラ。


 光っているのは、おひさま色のドレス。小指の先ほどの小さな女の子が、楽しそうに、ふわふわ飛びながら、朝露を集めていた。


 気がつけば、そこここに、たくさん飛び回っていて、キラキラ、キラキラ。朝露に混じって輝いているのだった。


(終)

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(窓を開けると…… 04)

ショートショート『麻子のひとひら小説集』より。

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