第10話 寮の噂
「僕も、いつまでもサラさんの家にお
「あるにはあるのですが……」
「何か
「いわゆる、
「不評……ですか?」
「はい」
サラさんは、不評の
「
「寮長の頭がおかしい……」
「クエスト
「ああ、そういうタイプですね」
「
「
「
「まだ何かあるのですか?」
「
「子守歌……ですか?」
それは、ありがた
どちらかといえば、
「
聖典を大声で読んで、睡眠を邪魔してくる……か。
「サラさん……」
「何でしょう?」
「あともう一軒の寮は、まともなのでしょうか?」
「悪い噂は聞きませんが、
「遠いところ、というと。ここから、どれくらいの
「
「遠いですね」
それに、
「そうなんです」
「…………」
しかし、このエリアの寮には、入りたくないものだな。
だが、いつまでも彼女の家に
しょうがない。
と、思っていると――
「しばらくは、私のところに
しかし、それに甘えていたら、彼女に迷惑がかかる。
やっぱりだ。ここは、寮に入ることにしよう。
「サラさん――」
「――ダメですよ」
「…………」
「
それに――と彼女は続ける。
「一人くらい泊まっていたって、何の問題もございません。むしろ、ナオキさんが
「サラさんは、どうして……」
「はい?」
「サラさんは、どうしてこうも、僕に
「さて、なぜでしょう。
サラさんは、言った。
「ナオキさんなら、何とかできるのでは? と思っていまして」
「何とかできるとは、何のことですか……?」
サラさんは、パチンと
「話は、そこまでにしましょう。とにかく、ナオキさんは
「…………」
まあ、あまり話を
彼女が
なるべく早く、
僕は言った。
「でしたら、今日もよろしくお願いします」
「はい」
そして、僕たちはギルドへたどり
サラさんは
「ナオキさん!」
「何でしょう?」
「
「手紙ですか?」
「はい、こちらなのですが……」
サラさんが、
「これは、何と書かれているのですか?」
「
「王宮……」
となると、
「今すぐ、ナオキさんを王宮まで行かせるようにと」
「今すぐ、ですか?」
「ええ。ですので、今から王宮まで向かう
「これは、騎士との顔合わせの件なんですよね?」
「そうですね。しかし……」
サラさんは、言った。
「ハズレの騎士を引かなければいいのですが……」
「ハズレの騎士?」
「はい。たまにいるんですよ。
「なるほど……」
「私は、
「
「では、今から王宮までの
「ありがとうございます」
「あと、ですが」
「何ですか?」
彼女は、
「一つだけ、
「はい……」
「王宮には
王宮という
「くれぐれも、王族の方々には
「……分かりました」
「ナオキさんがそういう人でないことは、
「気をつけるようにします」
そして僕は、サラさんに王宮までの
僕は、そこを
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