第18話『H&K HK416』
アフエラの作成したアサルトライフル『H&K HK416』前回のベレッタ同様真っ白だった。
よく見るアサルトライフルって見た目で、かっこいい。うん。説明が下手かもしれないが、とにかくかっこいい。
〔今回の銃はベレッタ92FS-MCのような小型拳銃とはサイズが違いますので、ホルダーではなくスリングを作成することをお勧めいたします〕
前回ベレッタをクラフトした時は、右太ももに巻き付けて固定するホルダーを作ってもらったのだが、今回はスリングという肩がけにする紐(ベルト?)を勧められた。
アフエラが勧めるなら作った方がいいな。
「お願いするよ」
〔了解いたしました。『デグルベアの毛皮』と『デグルベアの骨』を素材にスリングを作成いたします〕
出来上がったスリングを416に付け、肩がけにして後ろに回す。
「おぉ良いなコレ。コッチをメインで、サブにベレッタを使う感じになるのか」
「FPSだと標準的な構成ですね! アサルトライフルのリロード隙を使い勝手の良いベレッタで埋める……配信中のセトラさんが目の前にぃ……!!」
アイリスが嬉しそうで何よりだが、もの凄く良い意見だと思う。ゲーム中は『補充』に関連した行動のやり方がよくわからず、最初に拾った銃二丁に入っていた弾丸だけで戦場を走っていたから、リロード隙に関して何も考えていなかった。
「相談数は……一二三……三十発か。ワンマガジンにつき丁度狼の魔石一個となると……あっ!」
考えていたことを口にずらずら出していくと、アイリスの目が輝いていた。
「それは大変です!メインに使うアサルトライフルは弾丸の消費が激しいですもんね!ワンマガジンで魔石が一つ必要なんですね!魔獣は群れるものも存在しますし連戦が想定されます!魔石がいくつあっても足りませんね!」
「ちょ、ちょっと!? 大丈夫、大丈夫だからな!? これまで以上に魔石が必要なのは確かだが、魔獣を倒せば魔石くらいすぐ集まるから……」
口を挟むこともできないくらい早口でそう言ったアイリスは、鞘から剣を抜くと魔獣を探し始めた。
アイリスの貢ぎ衝動を加速させてしまった!!
貢ぐことに快感を覚え始めてしまっているアイリスに静止をかけ、なるべくアイリスの取り分もできるよう、この日の狩は精が出た。
416のマガジンリリースボタンを確認して、チャージングハンドルを引っ張る。アフエラがセットしてくれたマガジンを差し込み、ボトルリリースボタンを押して構える。
そして照準器を覗き込み……覗き……あれ?
「アフエラ、これに照準器は付いてないのか?」
〔……忘れていたわけではなりません。無駄の無いよう、マスターが必要とする種類の照準器を作りましょう〕
絶対忘れてただろこれ。ほぼデフォルトとも言えるであろうゴーストサイトというものすらついていない。
まあ魔獣相手には最初くらい別になくてもなんとかなるが……。
「セトラさん! デグルウルフの魔石です〜!」
アイリスが十個ほど抱えて持ってくる。
銃より剣の方が処理早いって……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます