取り引き

 助けてやるよとその男は言った。

「皆すっげえ綺麗だからさ、異界人って。おまけに美味そうだし。んー何て言うの。魂の質ってやつ?」

 得体の知れない男だった。にこにこ柔和に笑ってはいるがどこか寒気がする。

「俺と契約すればもう他の奴には襲われないよ。悪い話じゃないと思うけど。ここまで大変だったでしょ、異界人のお姉さん」

 間近で地響きと咆哮。さっき私を襲った化け物が近付いてくる。

「それとも、あいつに喰われたい?」

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