お迎え

 ずっとずっと大嫌いだった。姉さんの恋人だなんて信じられない、あんな薄気味悪い男。案の定やって来た彼に背後から声をかけてやる。

「姉さんのお墓に何の用?」

「連れて行くよ。そろそろ目覚める筈だから」

驚く様子もないのが腹立たしい。

「暴く気なのね。今日埋葬したばかりなのに」

 後ろ手に隠した十字架を握り締めながら確信する。やっぱり、この男。

「……参ったな。殺したくないんだけど」

 振り返ったその目は、血の様に赤い。

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