契約

 耳をつんざく金切り声。無我夢中で適当な扉を開けて飛び込み、追っ手の化け物から逃れる。間一髪。助かったと扉にもたれて息をついた。一緒に屋敷へ忍び込んだ仲間は皆散り散りになってしまった。これからどうしようと途方に暮れていると、

「助けてあげようか?」

 若い男の声。部屋の奥からだ。

「ここを出たいんだろ。助けてあげる。守ってあげる。だからさ」

 この封印、解いてくれないかな。どくりと嫌な動悸がして、胸を押さえる。

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