檻の雛鳥

 その日、見せ物小屋に運び込まれたのはハーピィの少年だった。殆どが女で構成される種族なので男の雛というのは大変珍しい。

「へーえ、よくも捕まえたね」

 ぐったりと動かない鳥の少年を格子越しに眺めた女はすぐに顔色を変えた。少年の口が忙しなく動いてる。人の耳には聞こえないがこれは。畳み掛けるように大きな羽ばたき音がして声を上げる。

「おい口輪はどうした! 親を呼んでるぞ」

 叫ぶのと窓が蹴破られたのはほぼ同時だった。

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