光と影十字セイバー

木漏日光

No.1 光と影






ダークセイバーがいました。


-何が欲しい-


その物語は…

ちいさな ちいさな…

光と影の物語…



ボクと伝う人間は孤高に生きる独りのダークセイバー。通称"影"

影の剣士とも伝えようか。



影に生きるボクは、いつも誰かの後ろに隠れている。



そして、こちらの人間はセイントセイバーだ。

通称"光"



ボクが無い物をセイントセイバーはいっぱい持っている。



自由、フレンド、お金、名誉の様なもの …



ほしい、ほしい、それがほしい。



とうとう影から出てきたボクは、セイントセイバーを、背後からビックリさせてやりました。

束の間、宙を一回転、360度。

セイントセイバーは地面に溶けたかと思いきダークセイバーと入れ替わってしまいました。


セイントセイバーが影になってしまいました。



「これからはボクの後ろに隠れていてね、元光。いや、ダークセイバー。」



そのかわり、セイントセイバーの全てはボクのもの。






-しかし-





"ジュワッ"


「………!?」


何が起きたのか。セイントセイバー(元ダークセイバー)身体が見る見る焦がれていく。

透明に消えてゆく。

太陽の光に焦がれてゆく。



「誰か助けて!」



では全てのものを置き去りにしましょう。



「誰?」



人のものを奪ってはならない。

いつになくこの世界観は物欲が溢れてます。



貴方は何を我慢して、何に損得を感じ、何がいったい欲しかったのかな?

大丈夫。伝えてくださいな…



(セイントセイバーの全ての物を超えて)



「光」



生まれ変わったら、何に生まれ変わりたい。



「それでも自分は自分を選んでいると思う、影なだけに、やっぱりボクはそう言う存在なのかもしれない。光は光、努力してるから光れるんだね。そうか…気づかせてくれて、ありがとう。」



身体がもう持たない。



「ボクの光、ゴメンょ。」





"バイバイ"






影は浄化しました。





元影だったセイントセイバーが、影が、影の中から、起き上がり…影が昇った天を仰ぎました。



ーーーなるほどな。私から心の影を、奪ってやったって事か。

ダークセイバーめ、カッコつけちゃって………。

随分とデカイのを持ち去ってくれたこと。


セイントセイバー流した涙は、ダークセイバーに届いた事でしょう。


-冬の軌跡-




約束の場所へ歩く。

途中、道の狭間御氷花達が咲き誇。

ここは、あの時の通り道。


影を失なった、あの日の居場所です。


「はい、持ってきたよ。プレゼント ! もう、本当に相変わらずなんだから。」


木漏れ日の木の下で。

「お還えり、襷。」

今季節のバトンが紡がれる。



…十字を目の前に…



ほしかったのは光と影の仲直り。


☆おわり☆




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光と影十字セイバー 木漏日光 @cherryblossom-19890405

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