第3話 オークの素材を高値で売ろう!!

 「よーしお前ら通っていいぞ!!」


 オリエント街の入り口には通行してよいか判断する関所があった。俺達は検査を受けて怪しいもの達ではないと判断されたのである。


 まあ、腕につけているアイテムについては問われたが、”これはアクセサリーのようなものです”と答えた。


 このアイテムは俺が”変態”と言わなければ使えなかったため、検査を行う人たちが調査したところで何も出てこず通してよいと判断されたのである。


 こうして無事街の中に入ることができた。レンガ造りの建物が多く並んでいた。また、通りは石畳でできており、きれいに詰め込まれていたのである。


 またその通りには大勢の人がにぎわっていた。


「ずいぶんとにぎやかですね。この街は意外と大きい街なんですか!」


「いえ。中規模の街ですよ。大きな街になればもっと大勢の人がいます。それに、施設ももっと大きくきらびやかですよ。」


「へえ~!!」


 俺から見れば、この街にある施設は大きいと思うんだけどな~!


 そう思っているところにオリビアは話しかけてきた。


「ダイスケ、わたくし行きたいところがあるのですが向かってもよろしいでしょうか?」


「行きたいところとはどこですか」


「それは商店街です。多くの商品が売られているので見に行きたいのです。それに先ほど回収したオークの素材である毛皮なども売りたいですしね。」


「わかりました。では商店街に向かいましょうか。」


「あっ! ちょっと待ってください。あそこによってもよろしいでしょうか」


 次は何だとオリビアが指さした方を見た。さした先にはリンゴが売られていた。


「あれが食べたいんですか」


「はい、リンゴを買ってきてもよろしいですか」


「はい。自分も見たら食べたくなってきたので一緒に向かいましょう」


 俺達は馬車を動かして、リンゴを売っている屋台に着いた。


 おいしそうな実ったリンゴがたくさん売られていた。


「どのリンゴを購入しますか!?」


「そうね~。」

 

 オリビアはじっくり見てにおいもかぎリンゴをいくつか選んだ。


「これらのリンゴをくださいな」


 オリビアは屋台の主人に選別したリンゴを購入するといった。屋台の主人はリンゴを袋の中にいれた。


 オリビアは自分の持ち金からリンゴの購入代金を支払ったのである。その際にふときらめくコインが見えた。


 この世界のコインなのかと思ったが、そのコインにはモンスターのデザインがほどこされていたのである。


「これは違うコインですわね」

 

 オリビアはそのコインを使わず、流通しているコインで支払いを済ませた。主人はリンゴの入った袋を渡しオリビアは受け取っていた。


「リンゴを購入できましたわ。よってくださりありがとうございます。」


 オリビアは購入したリンゴをオークの皮で包みこんでいた。


「いえ構いませんよ。ただ一つ質問してもよろしいでしょうか?」


「はい、なんでしょうか」


「そのコインはどこで手に入れたのですか!?」


「このコインはオークの素材を回収している時に拾いましたわ」


 ということはあのモンスターから排出されたこいんということか! しかも、そのコインを先ほど見たがオークのようなデザインだった。


 これはひょっとして‥‥‥。


「すみません。そのコイン見せてもらってもよろしいですか」


「ええ。いいですよ」


 俺はそのコインをオリビアから渡された。そのコインにはオークのデザインが施されていた。


 このコインの見た目はガチャポンで使った時と同じコインだ! モンスターコインで間違いない。


「すみません。私はこのコインがどうしても必要なんです。いただけませんでしょうか?」


「う~ん‥‥‥」

 

 オリビアは少しの間悩んだ。そして返答したのである。


「構いませんわ。あのオークを倒したのはあなたですもの。そのコインあげますわ。」


「ありがとうございます。では、これより商店街に向かいますね。道案内お願いします」


「わかりましたわ」


 こうして俺達は商店街へと向かっていったのである。今いる東のエリアから商店街がある街の西側のエリアに向かうまで1時間ほどかかった。


 西側の街の通過点である中央エリアも通ったが、そのエリアの人数は東のエリアにいた人数よりもさらに多かった。


 それもそのはずで、中央エリアには、ギルドや商業会議所、銀行や高層施設などのインフラが整っていた。そりゃ~人が大勢いるはずだ! と思った。


 その大勢いるエリアを馬車で移動したためそこを通りすぎるだけでだいぶ時間がかかったがなんとか西のエリアに着くことができたのである。


 西のエリアは多くの商店が立ち並んでいる通りで、中央エリア程ではないが大勢の人が行き来していた。


 もちろん通りは石畳でできており、きれいに敷き詰められていた。


「あそこに馬車を止めましょう」


 馬車を止める場所があったので、そこにとめたのである。もちろん代金はとられた。その代金はオリビアさんが支払っていた。


「ではまずオークの素材を売りに行きましょう!」

 

 オリビアと俺はオークの素材持った。もちろんオークの毛皮の中に入れていたリンゴは袋の中に入れなおしておいた。


 俺達は素材を売り買いする店に向かったのである。その店はレンガ造りでできていた。


 少しして店に入った。店の中には多くの素材が置いてあった。コインはなかったけど‥‥‥


 そして、オリビアは店の主人と話したのである。


「すみません。これらの素材買い取ってくださいますか」


「はい了解しました。一度査定しますので少々お待ちください」


「はい分かりましたわ。」


 しばらくして査定できたのか主人が買取金額をオリビアに告げた。しかし、その金額に不服だったのかオリビアは交渉したのである。


「すみませんが、この毛皮の買取金額おかしいのではないですか」


「そうでしょうか。オークの毛皮の金額としてはこれぐらいの金額だと思いますが‥‥‥!?」


「ではオークの毛皮のにおいをかいでみてください」


「毛皮のにおい‥‥‥!?」


 店の主人は毛皮のにおいをかいだ。すると驚いた表情をしていた。


「このにおいはリンゴの香り!」


「そうです。そしてその香りが漂うということはこのオークは果物を多く食べていたということになりますわ。」


「なるほど! 果物を食べていた魔物の毛皮は丈夫で上質と聞きますな。」


「その通りですわ。でしたらこの買取金額はおかしくなくて」


「分かりました。査定を見直します。」


 査定が見直された。買取金額はだいぶ高値になっていたのである。俺は驚いた。


 しかし、一番驚いたのはオリビアが交渉できたところであった。まさかあのオリビアがこれほど交渉にたけていたとは‥‥‥。


 だが、オリビアには鑑定の能力があった。正確な価値を見抜いていたため、交渉できたのであろうと思ったのである。


 オリビアは金を受け取った。


「それにしてもあんたらオークを討伐するとわな。もしかしたらあの魔物も討伐できるかもな‥‥‥」


「魔物‥‥‥!?」


「ああここの近くで植物の魔物が現れて人々を襲っているらしい。そのためこの街でも被害が多発してやがるんだ。もしあの魔物を倒してくれるものが現れたら喝采を浴びるだろうな」


「いいことを聞きましたわ。その討伐はわたくし共が引き受けますわ」


「おっ、お嬢ちゃん討伐してくれるのか。」


「ええこの街の平和のためにその魔物を退治してご覧にいれますわ」


「それは心強い頼んだぜ!!」


「ええお任せください」


 オリビアは自信満々の顔をしていた。どうやら、喝采を浴びたくて魔物の討伐を引き受けたようである。


 巻き添えをくらった俺はたまったものではない。


 その後、俺達は店をでたのであった。


「それにしてもあのオークが果物をたくさん食べていたなんて‥‥‥戦っていた時は想像がつきませんでしたよ」


「いえあのオークは果物何てあまり食べていませんわ。それは鑑定して分かりましたから」


「えっ‥‥‥ではあのリンゴの香りは‥‥‥あっ! もしかして、購入したリンゴの香り!!」


「ええその通りです。リンゴの香りがつけばあの毛皮は高値で売れると判断しました。そのためあの毛皮でリンゴを包み込んだのです。」


 なんて方だと俺は思ったのである。


「では、購入したい品々があるので向かいましょう」


 俺はオリビアさんに付き添う形で商品を見て回った。オリビアさんはたくさんの商品を購入していたのである。


 その後、購入した商品を馬車に乗せて、北のエリアに進んだ。北のエリアには宿屋があったため、そのなかの一つの木造建ての宿屋に泊まったのである。


 その宿屋の近くには馬車をとめる場所があったのでとめた。そして宿屋の部屋に入ったのであったのである。もちろん代金はオリビアさんが支払った。


 だが俺は植物の魔物の討伐のことで頭を悩ましていたのである。

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