第2話 鑑定スキル

 「街までどれくらいで着きますかね」


 馬車を動かす馬の手綱を取りながら、オリビアに質問した。


「そうね。このままの速度でいけるのならあと1時間ほどで着くと思うわ。」


 オリビアの実家までは距離が遠いため、街の宿屋に宿泊することを決めた。その泊まる街の名前は、オリエント街である。

 

「じゃあこのままのんびり街まで向かいますか」


「魔物に襲われなければのんびり迎えるわね」


 俺達は、のんびりしながら進んでいった。雑草の中にある花を見たり、鳥などを見たりしながら気持ちよく歩いていた。


「ねえ、一ついいかしら」


「はい、なんでしょうか!?」


「あなた私を助けた際に変な格好になったわよね。あの服は見たこともないわ。どうやって手に入れたの!?」


「じ‥‥‥じいさんからもらいました。」


 まさか能力で手に入れたなんて言えなかったから、じいさんからもらったと嘘をついた。


「そうなの。あの機能のことを考えると、もしかしたら‥‥‥家族にしか渡せない家宝ものの貴重な服かもしれないわね」


「そ‥‥‥そんな貴重な服とは思えませんが‥‥‥」


 ガチャポンで当てたあの服が貴重な服! にわかには信じがたい。


「でも、服を着たあなたの足から火が出ていたわ。その火でも燃えない服なんて貴重品に決まっているわ。よろしかったら鑑定させてくれない」


「か‥‥‥鑑定!?」


「そう私には鑑定できる能力が備わっているの。着るものならこの目で見れば鑑定できるの」


「そんな素晴らしい能力をお持ちだとは! でしたら鑑定お願いできますか?」


「ええいいですわよ。なら今すぐあの格好になってっくださいな」


「わ‥‥‥分かりました。」


 俺は右腕にはめていたガチャポンから手に入れたアイテムを触りながら、”変態”と唱えた。


 すると、自分の格好が特撮に出てくるようなスーツアクターの格好になった。


「おおー、凄いですね。一瞬でその格好になれるなんて。一体どんな機能何でしょう。早速鑑定してみますね!」


「はい、お願いします。」


「それじゃあ始めるわよ。”アプレイゾ”」


 オリビアが”アプレイゾ”と唱えると、彼女の目玉に一つの輪のようなものができていた。


 そして、オリビアは鑑定に集中していたのかずっと黙っていた。俺は黙っている彼女をまじまじと見ていた。


 そして、鑑定が終わったのだろうかオリビアは口を開いた。


「ダイスケ、あなたが着ている服の能力が分かりました。」


「そ‥‥‥それでどのような能力があるのですか!?」


「はい。その服には様々な能力がありました。物理攻撃力の大幅な上昇、脚力の大幅な上昇、魔力吸収さらに少量の耐属性機能も備わっています。とんでもない代物ですわ」


 まさかこの特撮用に使うような格好にそのような機能が備わっていたなんて‥‥‥。


 俺はあのガチャポンに対する認識が変わったのであった。さらに、これからガチャポンを引く時は慎重に引こうと思った。


 なぜなら、ガチャポンから出るものはすごく貴重なものばかりの可能性があるからである。


「そのような貴重な服だとは思いもしませんでした。これからはこの服を大事にしていこうと思います。」


「そうですね。大事にものを扱うのはいいことです。」


 鑑定が終わり、再び馬車の歩みを進めた。その後、襲ってくる魔物は現れず、街に向かって、のんびりと進んでいった。


 そして、1時間ほど立ち、街が見えてきたのである。


 街は円形状であり外壁に囲まれていた。外壁があっても街を見ることはできたが、まるでRPGのような中世の街並みが広がっていたのである。


 俺達は街や外壁を眺めながら、街の入り口についたのである。


 街には果たしてどのような施設があるのだろうか!?

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