第2話

おれは害虫駆除の仕事をしていた。

虫を殺して日々の糧を得る。

好きな仕事ではなかったが嫌いでもなかった。

ただやるだけだ。


ある日、依頼で郊外の高級マンションにいった。

マンション単位ではなく個人単位での依頼。

めずらしいこともあるものだ、とおもった。

おれのつとめている会社は得意先の企業からの依頼が9割を占めているからだ。


まあけっきょく、疑問を抱いてもしかたない。

経営層の人間はみな親会社からの出向で顔をあわせることもない。

経営方針などわかるはずもない。


おれはあたえられた仕事をこなすだけだ。

虫を殺す。家に帰る。寝る。

いま自分にできるのはそれだけだ。

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内なるくもりぞら ribon @ribon_kaku

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