第25話 『その発想』
「助手くん! 何か、妙案は無いかの!?」
ドク博士は、泣きじゃくりながら立ち上がり、助手くんに助けを求めます。
「知りまセンよ。第一、わタしは、こんなタイムマシン、乗りタクもアリマせんし」
「なんじゃと!? 助手くんは、それでも儂が発明した助手くんか!?」
助手くんに冷たくあしらわれたせいか、ドク博士は、昨今窮屈になっている問題発言をしてしまいますが、助手くんは、気づくこと無くこう言いました。
「そもソモですね、搭乗部分ヲ最初からタイムマシンの頂上にスルノなら、昇降梯子トカ取り付けたら良かったノデハ?」
痛い所をつかれたドク博士は、泣くのを忘れるほどに頭に血が昇り、怒声を上げてしまいます。
「何をいうか!? 設計というのは、言うほど簡単で……」
と、そこまで言った時です。ドク博士は何かを思い出したかの様に急に冷静になると、左手で握り拳を作り、右手の平をぽん、と叩きました。
「あ~、その発想は無かったわ〜」
一度、似たような現象を見た助手くんは、既視感的なものを覚えるも、はっきりとこう言います。
「てんどん?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます