第13話 『さっきの説明』

「ソレデ、博士。ワープ先の時間を変えタイ時は、ドウするンデスか?」



 助手くんの、高確率でくるであろう質問に、ドク博士は差す指を、タイムワープ先の時間を表示している間近、右隣に移すと、こう説明します。



「それはな、この三角のボタンを押して調整するのじゃ」



 ドク博士の指の先に、助手くんが目を移すと、確かにそこには、三角形のボタンがひし形の陣形を組むかのように、4つ設置されていました。記号で表すなら【△】という形でしょうか。


 ドク博士は、その中のひとつ、上向きと認識出来る三角形を人差し指で『ぎゅっ』と押し込み、固定します。



「良いか? このスイッチを長押しすると、秒単位を刻んでいる部分が点滅し始める。そうしたら、時間変更の設定が起動する」



 秒単位の点滅を確認したドク博士は、固定していた三角形のボタンから指をゆっくりと離すと、今度は、先程触れていた上向きの三角形のボタンを『かちかち』と、押し始めました。



「すると……ほれ。秒単位の所が、ひとつずつ変わっていくじゃろ」


「オオ、なるホド。デは、西暦を変えたい時ハ」


「うむ。左向きの三角を押せば、点滅が分や時間にずれていくので、それで西暦も変更出来る」


「タイムワープ先の時間を、最終的に決定スル時は?」


「再度、上向きの三角形を長押しすれば良い」



 その言葉通りに、ドク博士が上向きの三角形を長押しすると、高めの機械音と共に、少しだけずらしたタイムワープ先の時間が設定されました。



「モシ、タイムワープ先の時間を、取り消シたくナッタ時は、ドウすれば?」


「その時は、この4つのボタンを全て同時に長押しすれば、設定を変更する前の時間に戻す事が出来るぞい」



 矢継ぎ早に飛んでくる助手くんの質問に、ドク博士は、難なく答えます。



「まあ、と言っても、この手元のキーボードで色々設定出来るんじゃがな」



 そう言いながら、ドク博士は、手元側に倒れて来た操作パネルで、何やらカチャカチャやると、その打ち込まれた内容は、現在の時間とタイムワープ先の時間を表示していたデジタル時計の真下に設置されていた、小さなモニターに凄い勢いで表示されていきました。



「サッキの説明、一体、ナンだったノデスカ〜?」



 助手くんが、ぼそりと呟きました。

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