第47話 配信見てくれ



「大丈夫ですか?」


 地上に戻ると意識を取り戻した二人組と七海生徒会長が居た。


「ああ、君のおかげでな」


「あ、天野助かったぜ!」「迷惑かけたな」


 二人組は特に具合悪そうでもないので、怪我もしてないようだ。


「助かったじゃないですよ。死ぬ気ですか」


「そんな強く言うなよ。ほんとならこんな大事にならなかったんだよ」


「転移罠のところに近づいた瞬間に誰かに押されたんだ。配信見てくれ」


「君らが言ってることが本当かどうかはわからないが。ここに入ってる時点で一大事だ」


 罠に嵌めるために後ろから押したってそれほぼ殺人じゃないか。

 七海生徒会長は半信半疑な感じだが、どさくさに紛れて人を殺そうとした奴がいると思うとゾッとしないな。


「この二人と接していても疲れるだろう。ここからは生徒会の仕事だし、あとは私がやっておくよ。何かこちらの力を借りたいと思ったら気軽に言ってくれ、全力で答える」


「じゃあこれで俺は。もしかしたらそう遠くないうちに借りるかもしれないのでその時は頼みます」


「ああ、その時は任せといてくれ」


 さて殺人疑惑についてはこっちでも個人的に調べるか。

 生徒会は二人の処分や何やらで忙しいだろうし、あの二人からしてあれ以上の情報は手に入らなそうだしな。

 それに何より殺人鬼と学園生活なんてホラーすぎるからな。


    ───


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