第36話 封印の主
「吹き抜けがぶち抜いている床の数を確認するにあいつは10層のボスか。このまま叩きに行くと飛ばした層のボスから干渉を受けそうだな。順当に攻略してくか」
・ロボット君、慎重だな
・そのまま倒しまってもかまわないぞ
・命かかってるから上のバカの言うことは無視していいぞ
「慎重にいきたいと思います」
・エライ!
・善斗状況判断A
・こんだけ戦えてテングになってないの奇跡だろ
ここまでの一本道から分岐する形から吹き抜けを中心にして円周を縁取る形でダンジョンが形成されている。
構造から他層のボスと連携するなら部屋に入らずにこの吹き抜けの近くを徘徊していると思うのだが。
『ボスモンスターを検知しました』
バビロンから報告があるとボス周りを覆うようにマーキングが表示されて、俺の方でもボスモンスターを認識できた。
「蜂か」
擬態していて見にくいが周りに生えるクリスタルに擬態して、青白い巨大蜂がいるのが見えた。
「下にもか」
下の八層のボスらしきクリスタルに覆われた大蜘蛛と、九層のボスらしきクリスタルに覆われた蟷螂がちょうど直線上に並んで存在していた。
「一気に行くか」
ドデカソードを召喚すると気力を一気に吸わせて十層までぶち抜く大きさまで拡大する。
「キイイいいイイ!!?」
刃のビーム部分の光に照らされると、そっぽを向いていたり、様子見をしていたボスたちが気づき、一斉に針、糸、カマイタチを飛ばすがもう遅い。
「ぶちぬけ!!」
蜂、蜘蛛、蟷螂が成すすべもなく飲み込まれるのを見ると、そのまま十層のクリスタルドラゴンに振り下ろす。
・慎重にいってなくて草
・この子はテングとかそう言うのじゃなくてバーサーカーの類やね
・迷いなくボス四体同時に相手にしだして草
・信じた瞬間裏切って草
・天野善斗ラフメイカー説浮上
・ワイの感動を返せ
クリスタルドラゴンに直撃するかと思うと、から振った。
『封印の範囲がクリスタルドラゴンの直前までに設定されています』
「封印でこっちからの攻撃は一切届かないのか」
・クリドラクソボスでワロタ
・転移陣まである三層まで逃げた方がいいで
・攻略不可能ボスとかあるのな
撤退かギミックを探るかと考えていると、視界が削られ──ドローンのカメラが勝手に移動し始めた。
『封印領域の操作を確認。七層より上には移動不可能です』
「封印の大元はこいつか。逃げれないならギミックを見つけるしかない」
俺が方針を決定すると、クリスタルドラゴンの体全体から放射状にビームが放たれ始めた。
避けつつ周りにあるクリスタルを片っ端からミサイルとマシンガンで破壊していくが封印が弱まるような兆しは見えない。
流石に本当にここでギミックなしで餌になるだけってのはないよな。
『ギミックらしきものは七層から十層までに存在しません』
・絶対絶命やん
・流石にこれで一方的にやられるだけで殺されるのは胸糞だろ
・どうにかならんのか
「封印の解析はできるか?」
『二日前から実行中です。封印の弱体化より解析時間短縮して更新。あと五分かかります』
「五分か」
あの封印をかっちり俺の大きさまで小さくされた場合、放射状のビームは避けられなくなることを考えると長いな。
ドローンの移動具合的にあと三十秒ほどでガチガチの状態まで持っていかれそうなことを考えると四分三十秒の間、ビームに晒され続けることになる。
流石にドロドロに溶けていそうだ。
「あと一つ使っていない武器があるからそいつにかけるか」
対再生持ち用の武器の最後の一つであるビームスライサーを召喚する。
バビロンの周りに四つの回転する両刃のビームサーベルのようなものが現れた。
『ビームスライサーは浮遊端末で囲い込んで滅殺する武器になります』
バビロンが言うには敵を囲んで削り取るのが本来の用途らしい。
自分の周りを囲うように展開したらバリア替わりに使えないだろうかと思い、バビロンの周りに囲むように配置すると、クリスタルドラゴンのビームを滅殺し始めた。
これでなんとか凌げるか。
封印が限界まで小さくなったようでビームスライサーの囲いの中で攻撃を凌ぎつつ、待機する。
しばらく経つと天井から夥しいほどの光の粒が落ちてきた。
『封印解析完了。封印解除』
「お返しだ!」
「オオオオオオオオオオ!!!」
ビームスライサーを飛ばして、囲い込むと封じ込めたはずのこちらが動いたことに驚いたような叫びを上げるとそのままビームスライサーに身を刈り取られていき、滅殺された。
・あの状況から勝って草
・バビロンちゃん有能で草
・よう倒せたなほんと
・不可能を可能にして草
────
続きを書くモチベになるので、是非とも星⭐︎⭐︎⭐︎、フォローお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます