第15話 乗るしかねえ、このビッグウェーブに
昨日は入学式にオリエンテーションで新エリア発見と色々あり、大変だった。
せめてもの救いは新エリアの報告を一手に七海生徒会長が引き受けてくれたことだろう。
先輩方が言うことには個々人で作成した場合は土日潰して協会に送る資料をせっせと作らなければいけなかったらしい。
一人で二日潰さなければ作成できないものを18人分請け負った生徒会長は大丈夫かと思うが、先輩方が「なんとかなる!」と太鼓判を押すのでなんとかはなるのだろう。
気にしても生徒会長の覚悟が無駄にになるだけだし、休日を謳歌することにするか。
「朝飯にラーメンでも食いに行くか」
「100メートル圏内に営業中のラーメン店が存在しました。ナビゲーションを開始します」
────
先導するバビロンに続いてラーメン屋に向かうとすぐに辿り着く。
人がごった返す休日とはいえ、朝の時間帯だというのに混んでいる。
テーブル席はすでに満席ということで、カウンター席で注文のここの店の名物『ステーキラーメン』を待っていると入り口から見知った顔が入ってきた。
「お前もラーメンかよ」
「おいおい、勘違いするなよ。お前は好きだから来てるかもしれないけど、俺はエネルギーを確保するためだからな」
俺が声をかけると、得意げな顔でザキが答える。
「エネルギー必要ってこれから何かやるのか?」
「ああ、学園ダンジョンの新エリアに潜りにな」
「新エリアはやめとけ。昨日見て来たけどモンスターうじゃうじゃだったぞ。お前だったら入った瞬間五秒でバイバイだよ」
「俺も単独で行くほど無謀じゃねえし、ダンジョンの中では見るだけで戦うつもりはねえよ」
ザキは空いていた隣に店員さんに案内されて座ると、駄弁りつつ「ステーキラーメンお願いします」と注文する。
話が読めんな。
単独で行くつもりはないというのはわからないでもないが、戦わないというのがよくわからない。
潜るんなら戦いは避けられないはずだ。
「戦わないってどういうことだよ?」
「今日学園ダンジョンの方にA級に潜ってるすごい攻略者とか、有名配信者がこぞって入るって言ってるんだよ。だから俺が倒す前にその人たちが倒しちゃうんだよ。俺はその様子をリアルタイムで見るだけだ」
「要はデバガメってことかよ」
確かにそれなら言っている通りに戦うことはほぼ無きに等しいな。
「なあ、ちょうどいいし、お前も一緒に行こうぜ! 有名攻略者と有名配信者が一同に会することなんて今回だけなんだからよ! 乗るしかねえよ! このビッグウェーブに!」
「ビッグウェーブ、今だけ、有名配信者か……」
────
俺もデバガメしに行くことに決めた。
「人だかりができてるな」
「やばいなこれ」
人がぎゅうぎゅう詰めのダンジョン行きのバスに乗りダンジョン前に来ると私服の生徒らしき人でごった返していた。
出入り口が見事に塞がっている。
「排除シーケンスに入ります」
どうしたものかと思うとバビロンが人を押し除けて、道を切り開き始めた。
「おお! でかした!」
バビロンが開いた道を進み、出入り口に進む。
「現在入場規制中です。プロライセンスを持っている方以外は中に入れません」
「グアああああああ!!」
横にいたザキがガードに両サイドを固められて外に連れて行かれた。
ざ、ザキィ!!
「天野善斗さんですね。先日協会よりプロライセンスが付与されましたので入場可能です。こちらへどうぞ」
俺も排除されるかと思い身構えると、予期していなかった言葉と共に学園ダンジョンの中にバビロンと共に案内された。
────
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