問題児多数。ただし最強。

西郷

プロローグ

 

────時刻は正午。場所は箱庭7759175外門・“アンダーウッド ”

 巨躯の御神木がよくみえる、カフェテラス。


 アンダーウッドの透き通る空気を吸いながら、逆廻十六夜は呟いた


「中々どうして、何度見ても悪くねえ景色だ.......」


 川を跨ぐ大樹なんていう奇跡と水の町が織りなす景色は

 やはり、イグアスの滝の近くにあるダムに匹敵する感動を与えてくれる


「十六夜さーん!」


と、景色に一人感動していると別行動していた黒ウサギが声を上げながら戻ってきた


「ん?そんなに急いでどうした黒ウサギ。何か面白そうなことでもあったのか?」


「YES!十六夜さんが 何それ、超参加してえ!!って言うこと間違いなしのギフトゲームが開催されてました!」


「へえ、どんなゲームなんだ?」


「異世界の英雄英傑や魔王その他色々を集めて戦うゲームらしいです!」


「何それ、超参加してえ!!早速行くぞ黒ウサギ、グリー!場所はどこだ?」


 十六夜は光速で参加することを決定し、黒ウサギと鷲獅子グリフォンのグリーに声をかける


「あちらの御神木の中です!」


「ひとっ飛び頼むぜ、相棒グリー


 ※


『ギフトゲーム名“異界の英傑よ集え!最強バトルロワイヤル!”


参加資格 ホストに選ばれし異世界の存在


プレイヤー一覧

・召喚された全ての存在。


プレイヤー敗北条件

・死亡(死亡したら元の世界に戻ります)


プレイヤー側禁足事項

・世界の破壊を試みる行為


プレイヤー側ペネルティー条項

・住人の殺害

・魂の完全消滅

・ペナルティは“敗北” “能力の制限”からランダムに選出


ホストマスタ―側 勝利条件

・なし


プレイヤー側 勝利条件

一、自分と同じ世界以外のプレイヤーの殺害

二、ゲームシナリオ?????のクリア


クリア報酬

・ホストに出来ることなら大体叶えてあげます!


宣誓 上記を尊重し、ホストマスター???の名のもと、ギフトゲームを開催します

                             “正体不明 ”印』



「おい、黒ウサギ。旗印がノーネーム処かねえし、名も正体不明だ。

他にもおかしなとこが山ほどありやがる。こんな契約書類はありえるのか?」


「ありえません!今すぐ箱庭の中枢にきいてみます!」


黒ウサギがうさ耳をぴょんぴょんして、箱庭と交信すると


「.......このゲームは箱庭が正式にギフトゲームとして認めているようです。

 箱庭公認の、恐らく白夜叉様も認めているゲームのようです。」


「そうか。魔王のギフトゲームって訳じゃないし強制参加じゃないみたいだが

異世界の魔王様に英雄英傑、か。.......くそ、やっぱり面白そうだ!」


おかしな契約書類を読み、一瞬警戒した十六夜だったが

異世界の魔王様!という文面に惹かれたようで、直ぐに参加を決定した


「そういえば、おまえらにもギアスロールが降ってたがまさか参加できるのか?」


「......YES!どうやら主催者に認められてるようです!」


『私も参加できるようだ。』


二人も参加できることを知った十六夜は不敵な笑みを浮かべながら


「前みたいな召喚は勘弁してくれよ?」


黒ウサギをジト目でみながら十六夜はギアスロールに付いていた招待状を開いた


 異なる次元

 異なる世界。

 決して交差することのない存在に送られた、珍妙不可思議な封書。


 中の手紙にはゲーム内容と共にこう書かれていた。


 楽しんで!、と。


三人の視界は間を置かずに開けた。

急転直下、彼らは上空4000mに投げ出されたのだ。


「ど、何処だここ!?」


眼前にはこれまた見知らぬ風景が広がっていた。

視線の先に広がる空には見知らぬ飛行生物

眼下に見えるのは近未来チックな半壊した都市。

彼らの前に広がる世界は完全無欠に異世界だった。

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