第30話 ミンディーとメリッサ

 奴隷商にてお金を払い、首輪から奴隷紋に切り替えて、僕を2人の主人にして貰う。


 奴隷商さんから2人の名前をどうするか聞かれ、僕は元の名前を2人に聞いたけど、口を揃え命ぜられなければ言いたくないと言ったんだ。


 嫌なら聞かなくても良いけど・・・さてどうするかな?シンディーさんになんとなく似ているから、近い名前にしよう!アリアは・・・


「じゃあ、銀髪の君はミンディー、金髪の君はアリア改めメリッサではどうかな?」


「チョッとご主人様?何でアタシの本名を知ってんのさ?じゃなくて知っているのですか?」


「へー!!その、偶然だよ。何となく知り合いに似ていたから、その人の名前に近いのを思い付いたんだ。嫌なら変えるよ。それと無理に言葉は直さなくても良いよ。なんで知ってんのさ?で大丈夫だから。メリッサはどう?」


「素敵なお名前ありがとうございます。メリッサと名乗らせていただきます。そう言えばご主人様のお名前は?」


「僕はバンスロット。みんな長いからバンって呼ぶんだ。今後のことがあるから君たちもバンっ呼んでね。悪目立ちしたくないからバンスロット様ってのは無しの方向で!ミンディーは名前どうする?」


「本当に偶々なんだよな?じゃなくて偶々なんですよね?うん。アタシ、親から付けられたのはもう忘れたけど、ご主人様、バン様が付けてくれたミンディーって名のるますぜ!あれ?」


「ほら、無理に言葉を変えようとするからそうなるんだって。じゃあ改めてミンディー、メリッサ、宜しくね!」


「お2人とも、バンスロット様は一緒にダンジョンに入ろうとなされております。知っての通りダンジョンで活躍している間は性的な奉仕の拒否ができます。奴隷紋がそうさせます。不同意に性行為を強硬、つまり犯されそうになった場合主人を殺すことが出来ます。ただし、貞操の危機と心の底から思う必要があります。バンスロット様、夢々忘れまするな。それと純粋に恋愛感情での体の関係は可能ですので、バンスロット様がお2人を性的に抱けるのは心を得ていないと無理にございますが、本当に宜しいので?」


「ちょっ!アンタ私たちを抱かずに戦闘奴隷として手元に置くって、ひょっとして不能なの?」


 僕はその言葉に真っ赤になったけど、彼女たちにとっては大事なことなんだろう。


「僕は至って普通だよ。好きな人がいればその人と1つになりたいと思うけど、奴隷を無理やり犯して欲望を満たすのって無理だよ」


「確かに反応なさっておいでだと女将から聞いています。その、大きそうだと・・・」


 僕は更に真っ赤になるしかなかった。


「こほん。メリッサ殿、確か初床はまだでしたな?」


「はい。まだ生娘でございます」


「バンスロット様、差し支えなければ、源氏名アリアとして彼女が身請けした時の衣、つまり今身に着けている服を初床前に身請けされた処女アリアの衣として、私共へ委託販売してみませんか?私の知る限り彼女の初床の権利は1000万gにまで上がっておりました。この衣は好事家に100万g程で売れると思います。私共はその中から1割の手数料を頂きますが」


「そんなになるのですか?メリッサ、その服に思い入れとかある?なければそのお金は君たちの服を買ったりするお金に回そうと思うし、取り敢えず今着られる服はあるよ」


「遊女の服なんて忌々しいですわ。本当は燃やしてしまいたい位なのですが、無視できない金額になるのですわね。バン様のお役に立てるのならば、是非ともお売りください」


 そうしてアリアとして着ていた遊女の衣は、身請け証明共々オークションに掛ける手続きをし、2人には僕が持ってきた普通の服に着替えてもらう。


 ミンディーの服は町中を歩くには少し目立つというか、何故かメイド服だった・・・

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