第39話 閑話・大人なことをして過ごす

 僕はメリッサが魔法を習得すべく魔法の書を読んでいる間、何をするか考えた。


「ミンディー、今日は僕と一緒に大人らしいことをしよう」


 そう提案し、何故か少し躊躇するミンディーと共に孤児院でボランティアをするために出かけた。


 僕たちは孤児院に向かったけど、途中で色街の横を通ることになる。

 ミンディーは何故か様子がおかしい。


 メリッサをこの色街から救えて良かったと改めて思いながら歩いていた。


「ねえバ、バン、ここで?大人のことって・・・つまり・・・」


 しかし、僕は歩みの遅くなったミンディーの手を握り、先を急ぐことにした。


「大丈夫?ミンディー!?ひょっとして体調が悪かったり疲れが溜まっている?ここで休憩するのはちょっとあれだからもう少し頑張れる?」


 ミンディーの顔は真っ赤だった。よく分からないけど、ひょっとしたらトイレに行きたくなったのかな?早くトイレのあるところに連れて行かなきゃ!〜いそげ〜〜!〜


 色街の入口にある門の横を通り過ぎると、ミンディーから変な言葉が聞こえた。


「えっ?ここでアタイを大人の女にするんじゃなかったのかい?」


 朝から変なことを口走るミンディーは、まだ僕が彼女を奴隷として扱うと思っていたのかな?それとも信頼されていないのか。もっと信頼されるように頑張らなければ!


 そんなミンディーをともかくとして、僕たちは門の横を通り過ぎてそのまま進んだ。

 色街の賑やかな雰囲気を背後に残し、次第に静かな街並みに変わっていった。


 そして目的地である孤児院に到着すると、ミンディーの緊張感は解けたようだ。


「まぎわらしいこと言うんじゃないわよ!もう!」


 しかし、持ち前の明るさと気さくな感じで子供たちとすぐに打ち解け始めた。


 僕はもう15歳。 大人として孤児院の子どもたちと遊んだりするボランティア活動を行った。僕のいた孤児院でもこうやって時折冒険者が来て、子どもたちが目を輝かせていたっけな。


 子供っていいよね!無邪気に頬をつねったりさ。

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