第19話
(キンコンカンコ〜ン〜)
時は、10月1日の朝8時過ぎであった。
ところ変わって、私がかつて通っていた小学校の教室にて…
「それではまず、参観日の案内のプリントを配ります。」
また参観日…
ゆううつだ…
私は、つらそうな表情でつぶやきながら後ろの席に座っている子にプリントを配った。
(キンコンカンコ〜ン〜)
時は、午後3時50分頃であった。
黒いランドセルを背負っている私は、同じクラスの子たち4人と一緒に正門から出た。
ところ変わって、学校から150メートル先の交差点付近にある
店の前に、白のまん丸ぼうしに赤・青のななめせんに星がついているサインがくるくると回っているポールの前に黒いランドセルを背負っている私と4人の男子児童たちがいた。
私と男子児童たちは、ものすごくつらそうな声で話し合いをしていた。
「参観日なんかイヤや!!」
「オレも!!」
「オレも!!」
「…だよな〜…オレもやだよ…舟木…舟木んちのかあちゃんは、
「ああ…きのうは札幌…きょうは大阪…あしたは福岡…」
「舟木んちのかあちゃんは、あちらこちらの
「そうだよ…たぶん…ことしいっぱいは帰らないと想う。」
「その間どうするのだよ?」
「ぼくひとりでもできることはあるよ!!」
「そうだね…
「ああ、そうだよ。」
「それよりも、参観日ってなんのためにするのかな?」
「そうだよな〜…あんなもんしたって意味がないよ〜」
「だよな〜…」
このあと、私と4人の男の子たちはああでもないこうでもないと言いながら話をしていた。
それから20分後であった。
またところ変わって、
台所のテーブルの上には、白の磁器のティーカップと白のお皿がたくさん並んでいた。
その中に、ゴンタ(本町にむかしあった
ティーカップには、リプトン紅茶のティーパックが入っていた。
台所には、ゆかりがいた。
ゆかりは、キョクドのうつ病にリカンしたことを理由に前日から休職していた。
この時、ランドセルを背負っている私が帰宅した。
「ただいま〜」
「おかえりなさい。」
「それゴンタのケーキ!!」
「そうよ…きょうはおきゃくさまが来ているのよ~」
「なんで食べれないの!?」
「おきゃくさまだからガマンしなさい!!」
「フン!!」
私は、ひねた表情で家から出ていこうとした。
ゆかりは、困った声で言うた。
「
「テレビを見に
「待ちなさい!!」
ゆかりは家から飛び出した私に声をかけたが、私は足早に家から出た。
ゆかりは、いらついた声で『晩ごはんまでには帰って来なさい!!』と言うた。
ところ変わって、大広間にて…
家の大広間には、みちよと明と長女・ルミ子(32歳・専業主婦)
ルミ子・
ルミ子は、ニコニコ顔で両手をあわせながらみちよに言うた。
「おかーさん…ごめんなさい…」
みちよは、困った声で『どうしたのよ?』と言うた。
ルミ子は、だらけた声でみちよに言うた。
「あのね…引っ越し先を…ここに変えてもいい?」
みちよは、ものすごく困った声で言うた。
「引っ越し先をここに変えるって…新築の家ができあがったのになんでうちに引っ越しをするのよ〜」
ルミ子は、だらけた声でみちよに言うた。
「だから、ダンナと私の気持ちが急に変わったのよ~」
みちよは、困った声でルミ子に言うた。
「ルミ子!!」
「おかーさん〜」
「おかーさんとおとーさんがどんな気持ちで家を建てる費用を全額出したと思っているのよ!?」
「だからごめんなさいと言うてるわよ〜…おかーさん、アタシたちはわざと失敗したわけじゃないのよ…計画どおりにダンドリを取ったけれど、子ども部屋をギセイにしたのよ…」
「子ども部屋をギセイにしたって?」
「だから、ブラインドとクーラーを設置するのを忘れたのよ〜」
「ブラインドとクーラーを取り付ける費用だったら私たちが出すわよ〜」
「他にも、大失敗した箇所が見つかったのよ…洋式のスイセントイレを頼んだのに、水道屋がまちがえてボットントイレを作ったのよ…」
このあと、ルミ子はみちよに対してテキトーに作りバナシをした。
めんどくさい表情を浮かべているみちよは『それなら分かったわよ〜』と言うてルミ子のヨウキュウを受け入れた。
ルミ子は、明とみちよに対して『引っ越しする日にちは、近いうちに知らせる…』と言うた。
この家はどうなっているのだ…
このままでは…
私の居場所がなくなるおそれがある…
心から安心できる居場所は…
どこにあるのだ…
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