第15話

話は、再び1969年頃にかわる。


公章きみあき山尾やまおの家で暮らし始めてから3ヶ月が経過した。


公章きみあきは、みちよの親類の人たちの意向で山尾やまおの家に移り住んた。


暮らしていたアパートのチンタイケイヤクをカイヤクした…


公共料金のケイヤクもカイヤクした…


アパートで蔵していた時に使っていた家財道具類は質屋シチに全部入れた…


お給料のテドリ分は全部チョチクに回した…


3年たったらチョチクが倍に増えるよ…


給料3ヶ月分の婚約指輪ゆびわが買えるよ…


上のひとの言う事を聞いていれば大丈夫よ…


…と理恵りえ公章きみあきにやさしく言うた。


しかし、理恵りえのやさしさは公章きみあきには全く伝わらなかった。


自分の力で花嫁さんを探したいと公章きみあきは言うたが、まわりが『動いたら失敗する…』と言うからできない…


みちよは『公章きみあきが悲しんでいる顔を見たくない…』と言うた…


理恵りえ公章きみあきの悲しんでいる顔を見るのがイヤだと言うた。


だから、みちよと理恵りえ公章きみあきに対してじっと待っていればステキな花嫁さんが来るよと言うた。


じっと待っているだけでステキな花嫁さんが来るなんて…


公章きみあきは、日増しに違和感をおぼえた。


それともう一つ、公章きみあきとゆかりが同じ車に乗って通勤していたことが大問題になった。


みちよと理恵りえは、同じ方向に行く車に乗って通勤することで愛がめばえると思っていたが、そのようには行かなかった。


ゆうべ見たテレビの話しをすればふたりがイキトウゴウすると思っていた…


しかし、ふたりともコミュニケーションを取ることが大のニガテだから話ができない…


愛がめばえるどころか、お互いがうざいと思うようになった。


それが原因で、ふたりともお仕事ができなくなった。


9月24日頃だったと思う。


ゆかりと公章きみあきが車に乗って帰宅する際にもめ事が起こった。


ゆかりが車に乗るなりに公章きみあきに対して『あんたはうざいから降りてよ!!』と言うた。


公章きみあきが拒否したのでゆかりが平手打ちで公章きみあきをたたいた。


公章きみあきは、ゆかりの頭をグーで殴り返した。


ふたりが起した暴力ザタが原因でお互いが気まずくなった。


ことの次第を聞いたみちよと理恵りえは『大失敗した〜』と言うて弱りまくった。


大失敗したわ…


私たちは、ふたりがイキトウゴウすると思ってアレコレとセッティングしたのよ…


みちよと理恵りえは、公章きみあきが喜んでいる顔が見たいと思ってアレコレと動いたが全部ウラメに出た。


9月25日頃に公章きみあきはケビョウを使って勤めを休んだ。


同時にゆかりも、職場でトラブルを起こすようになった。


その上にまた、深刻なトラブルが発生した。


小4の私は、深刻なトラブルが原因で山尾やまおの家に居場所をなくした。


同時に、ガッコーに行くのが苦痛になった。


なんで私は…


ガッコーに行くことが苦痛になったのか?

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