第152話 後輩美少女からアタックされまくるモテ期陰キャという圧倒的矛盾
どうして姫咲希望が俺と瑠衣が話していたことを……っ。
関東から夏浜市に戻って来た俺だったが、帰ろうと思った矢先に、謎の後輩・姫咲希望に呼び止められた。
ハーフアップの赤髪が、真っ赤に燃える背後の夕日と重なる。
「一体、黒木先輩と何を話されていたんですか? 頭を下げてお願い事をしていたようでしたが……もしかして告白とか?」
「ち、違う! 俺と瑠衣はそんな関係じゃ!」
「瑠衣……へぇ、諒太先輩は黒木先輩のことを下の名前で呼ぶんですね?」
それを言うならお前だって、なんでほぼ初対面の俺のことを下の名前で呼んでんだっ。
「俺たちはただ、同じクラスで仲が良いから。やましい関係じゃない」
「ふーん、そうですか。でも黒木先輩って、普段から男子とはほぼ話さないくらい、純潔なお方だと聞いたことがありますけど?」
ったくこの後輩は次から次へと……しつこいな。立●のマシンガン継投かよ。
「あ、あのな姫咲さん。先輩のプライベートをそこまで詮索する必要があるのか? そんなに瑠衣のこと好きなら直接本人に」
「だから本人に聞いているじゃないですか」
「……ほへ?」
「そもそも私は、瑠衣先輩に興味があるわけではありません」
この後輩、ずっと何を言って——。
すると姫咲はスッと一歩踏み出して俺と距離を詰めてくる。
「私は……諒太先輩に興味があるのですから」
しっとりと、それでいて鋭く。
その目つきは瑠衣に似た何かがあった。
「俺に興味? な、なんで!?」
「そんなの、あの黒木瑠衣と仲が良く、全校男子の憧れである海山愛莉や、高校No.1ギャルの市之瀬優里亜とも親しい。ついでに学年2位の田中なんたらさんとも。私はそんなあなたに一目置いてますし……何より欲しいです」
「ほ、欲しい!?」
なんということだ……まさか姫咲みたいな後輩美少女に、俺みたいなミジンコがそんなことを思われていたとは。
もし俺が生徒会に入ったら、真っ先に俺の方から近づいてやろうとまで思っていたくらいなんだが……いや、間違いなく瑠衣に●されるけど。
「海外暮らしが長くて、
「い、いやぁ……俺も後輩に知られるほど有名人になっちまったか」
「…………ふふっ」
「え、姫咲さん?」
「すみません。もし私が手に入れたら……そう思うと、つい笑みがこぼれてしまって」
瑠衣の不敵な笑みとはまた違う、不思議な感覚。
なんか田中から聞いた話ではもっと優等生な感じだと思っていたが……何か、様子がおかしいな。
「私、欲しいものには貪欲な性格なので。でも今日は自己紹介くらいにしておきます」
「え、あ、うん」
「2学期が楽しみですね諒太先輩。それではっ」
姫咲はくるりと反対を向くと、そのまま歩いて行ってしまった。
ま、マジで何だったんだあの後輩。
俺が欲しいとかなんとか言っていたが……もしかして今度こそ本当にモテ期ってことか!?
(まだ夏だってのに来年のバレンタインが楽しみになって来たな……)
俺のバレンタインなんて、毎年、母さんから貰うデパ地下のチョコと姉のチロルチョコ、あと田中がくれるピンクのハート型でやけにデカい手作りチョコくらいだもんな。
「ん?」
姫咲と別れた後、そんなことを考えながら帰っていると、スマホにlimeの通知が入る。
『優里亜:うちの住所ここだから。明日10時に来て。待ってる』
優里亜からのlime……か。
俺の人生で初めての女子の家にお呼ばれイベント。
「くっ。間違いなくモテ期……来てるぞ俺」
相変わらず勘違いオタク並みに浮かれまくる俺だった。
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次回から『夏休み後半戦!コスプレ祭り!』編、(ドスケベもあるよ!)がスタートします。
2025年2月7日に本作の書籍版が電撃文庫より発売されます!
予約も始まっております!!
よろしくお願いします!!
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