第32話


今章のオワリというか、まとめ。


結局、私という人間が『虚』に関わることはなかったけれど。


虚の相棒、実。


実の相棒、虚。


2つは表裏一体で、どちらも同じ存在らしい。


夏ノ瀬さんが知らず知らずの内に創り出していた怪異。


夏ノ瀬さんの予言を当てさせた怪異。


夏ノ瀬さんの言った『嘘』を、


夏ノ瀬さんの創り出した『実』が『本当』にする。


それは確かに、予言的中も当たり前か。


本人も、薄々気付いていたようで、


クラスメイトや周りの人に聞きまわって、


やっと確信できたらしい。


最初は悪ふざけでやり始めたらしいけど、


その時から当たっていたらしい。


「ふうん、で。その埃ちゃんは今?」


「いや、全然普通に学校に通ってるよ。まだ続けてるみたい」


「へえ、意外と何も考えてない方なんですねえ。月見先輩は襲われたんでしょう?」


「ん…、私は襲われてる人を助けた……って感じかな」


「相変わらずお人好しというか…人がいいですね。月見先輩は」


「それでも、偽善だけどね。天底くんは?」


「いえ、僕も偽善者ですよ。というか善者なんて存在しませんし」


「それもそうだね、あ。そろそろ時間だ。じゃあ、また」


「では、さようなら月見先輩。」




「次会うときはまた、いい話を持ってきてくださいね」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る