第15話


「おっはよー!」


「おはよう!」


「…おはよう」


突然溢れ出した少年少女に驚く。


ど、どういうこと?


そう思った瞬間。


ガラリと、教室の扉が開かれた。


その瞬間に、僕は扉のところにバケツが挟まれているのに気付いた。


ヤバい、アレだとかかっちゃう…!


「そこの人__」


僕が走ったときにはもう遅く、


その人には泥水がかかった。


___そしてまた、元の位置に戻った。


***


「おっはよー!」


「おはよう!」


「…おはよう」


また、同じセリフ、同じ行動が繰り返される。


「ど、どういうこと…?!」


とりあえず、扉に挟まっているバケツを取らなきゃ。


おいしょっ…と。


って、あ!


バシャリ、と泥水がかかったのは、黒髪の少年だった。


___そして、また時が戻った。


***


「おっはよー!」


「おはよう!」


「…おはよう」


うーわ。


これ、精神崩壊するわ。


喉まででかかった言葉を、ぐっと飲み込んだ。


とりあえず急いで丁寧にバケツを取らなきゃ…


よいしょ、っと。


このバケツどうしよ…


まあその辺りに置いとこ。


その時、ガラリと扉が開いた。


そして、黒い髪に青い目をした少年が入ってきた。


……そして、時が戻ることなく、そのまま進んだ。


「よしっ」


と、ガッツポーズをしたところで、気付いた。


少年少女が着ている服は、僕の知っている制服だということに。

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