第14話


「ううう…」


怖いよお。


そういう言葉を飲み込んで、


暗い廊下を歩く。


体は、妖怪化しているみたいで、


夜目が効くから、懐中電灯みたいなのは持っていない。


にしても、怖いなあ。


夜目が効いているのが余計に。


アレでしょ?


夜目が効いてるってことは、幽霊とかも見えちゃうんでしょ?


無理だよ?


本当に無理だよ?


「た、達也くーん、達也くーん!」


達也くーん、達也くーん、と自分の声がこだまするだけで、


達也くんとおぼしき音は聞こえない。


「やっぱり夜の学校って怖いよ…」


特に一人だと、倍怖い。


とりあえず、その辺りの教室でも行こう…


***


「わーお、なんじゃこりゃ」


黒板には、大きく雑な字で【死ね】と書かれていた。


なんだこりゃ。


「うーん、知らない教室だけど…。消しといた方がいいよね」


黒板消しを取って、黒板を消そうとした。


そして。


___僕は、元の位置に戻っていた。


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