声の茨のダンス
第1話 教室
『キーンコーンカンコーン、、、』
昼食のチャイムが鳴った瞬間、私はすぐに弁当の蓋を開けた。
その秒数、なんとわずか0,005秒。
とりあえず合掌をして、「いただきます」と小さく呟いた。
そして箸をとり、食べようとした瞬間、後ろからドン!と押された。
「うちらも食べていーい?」
後ろから押してきたのは金色を帯びた美しい黄色の髪の毛で、高校生とは思えないような発育した体に、子供を思わせる顔。
そして。
「
上質な絹のような髪の毛と海の色のような色、ふわふわとしたいい匂い。
大人びた口調にあう、美しい顔、モデル体型。
誰もが一度は憧れるような、可愛い見た目だ。
「別に、どこで食べてもいいと思うけど…まぁどうぞ。」
それに対して私は、青と紫のグラデーションに、長い髪。
お世辞にも可愛いとも美しいともいえない顔。
少し目つきが鋭いのがコンプレックス。
……これ以上いうと、なんだか自慢しているみたいだからやめておく。
「おい、何先に食べてんだよ。俺、トイレにいってたんだけど。」
出てきたのは、ルビーのような紅色の髪、イケメンな顔。
「姫野さんならちょっと探してくれると思ったんだけど。」
「あら、トイレにいってたんですのね。申し訳ありませんわ。」
姫野、と呼ばれているのは海色の髪をしている少女だ。
黄色の髪の少女は、ギャル美。
彼女は本名を言うのをことごとく嫌がり、あだ名で自分の名を呼ぶ。
紅色の髪をした少年は、柊夜。
「というかさ~最近聞いた噂なんだけど…この学校、妖怪いるらしいよ!」
「何だって?!」
「…ねここ?」
「あ…ごめん」
しまった。妖怪という単語に反応してしまった。
私は実は妖怪と人間のハーフである。
そのため、自分の正体がばれたかと思って、少しびっくりしたのだ。
実際、ばれていなかったのだが。
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