綿毛型妖精研究部は今日もフワフワ活動中
若福品作
第1話 広い野原を飛ぶ白いあいつ
登場人物
性別:女
学年:高校1年生
身長:156
好きなもの:フルーツジュース、シール集め。
性別:女
学年:高校3年生
身長:164
好きなもの:コーヒー牛乳、散歩。
(高校生になってから、もう1週間が経つ。私は高校生になったらやりたい事があったのだ。それは部活動である。)
そう自分の気持ちを上げながら“
部活勧誘ポスターが貼られている掲示板の前に立つ。
「どの部活にしようかな?
運動音痴だから文化部だよねぇ。」
そう1人言を呟く華恋の目に、あるポスターが
「
「おっ。わが部活が気になるかな?
お嬢さん。」
そう誰かが華恋に声をかける。
華恋の目線はその誰かに向けられた。
そこに立っていたのは1人の女子生徒だった。
「だ、誰ですか?」
そう少し怯えた様子で華恋が尋ねる。
「悪い悪い。ビックリさせたか?
ウチはその部の部長をやってる3年の“
「な、なぜ私が1年生だと?!
エスパーですか?!」
そう華恋が驚く。
そんな華恋の反応に亜美は大きな声で笑う。
「君、面白いね。リボンの色だよ。
この学校はリボンの色で学年が決まってるんだ。赤は1年生。青は2年生。黄色は3年生ってね。」
「へーぇ。そうだったんですね。」
そう言いながら華恋は自分のリボンを触る。
「学校説明会で言ってなかった?」
そう言われて華恋は恥ずかしくなる。
実を言うと学校説明会は寝ていて内容を覚えていないのだ。
「そ、それより。綿毛型妖精研究部ってどんな部活なんですか?」
そう華恋は必死に話題を変える。
「この世界に存在する妖精の中で綿毛型に興味をもった奴等が集まってる部活だよ。」
「へぇ、そうなんですね。」
「・・・そうだ。今から時間があるならウチの散歩に付き合わないか?
運が良かったら綿毛型に会えるかもよ?」
そう亜美が提案する。
「行きます!!」
そう華恋は大きな声で返事を返す。
🔍
「うわー。広い野原だー。」
そう華恋は目の前に広がる野原を見つめる。
「綿毛型は自然の中から産まれる妖精なんだ。」
「へぇ。そうなんですね。
よ~し。見つけるぞ~。」
そう気合い満々で華恋は階段を下りる。
「まぁでも、綿毛型って妖精の中でも結構珍しい種類だから簡単には見つからないと思うぞ。」
「先輩、これ綿毛型ですか?!」
そう華恋がフワフワでモフモフの白い綿の様な生き物を掲げて尋ねる。
「すぐ見つかったーぁぁぁ!!」
そう大きな声で亜美が反応する。
🔍
「フワフワ、モフモフで可愛い。」
そうトローとした目をしながら華恋は綿毛型を触る。
「そいつはホワイトって言う種類の綿毛型だな。」
「種類があるんですか?」
「あぁ。種類によって触った時の感触が違うんだ。」
「へーぇ。どんなのがあるんですか?」
「白色のホワイトはモフモフ。
黒色のブラックはカチカチ。
緑色のグリーンはチクチク。
青色のブルーはブニョブニョ。
赤色のレッドはネバネバだな。」
そう亜美は全5種類の綿毛型を紹介する。
「色々あるんですね。」
そう華恋が言うと亜美は何かを思い出した様な顔をする。
「そうだ。綿毛型も一応妖精だから魔術を使うぞ、気をつけろ。」
そう亜美が忠告するが遅かった。
ホワイトに白い粉をかけられた華恋はフワフワと空に浮かび上がる。
「う、うわぁぁぁぁ!!
私、空を飛んでる?!」
そう大きな声で華恋は驚く。
「飛んでると言うより、浮いてるだな。」
そうまるで無重力の様にフワフワしている華恋の姿を見ながら亜美は言う。
そんな華恋はどんどんと高くまで浮いていく。
「せ、先輩ー!!
これどうやったら降りれるんですか?!」
「知らん。」
「そんなーぁぁぁ!!」
🔍
ー数分後ー
「シャ、シャボン玉みたいに割れるかと思った。」
そう地面に降りれた華恋は腰を崩して安心する。
「綿毛型はみんなこんな魔術を使うんですか?」
そう華恋が亜美に尋ねる。
「嫌、魔術は個体によって違う。
同じ魔術を持った個体は存在しないって言われてるよ。似た魔術は別だけどな。
そう聞くとさぁ、1匹との出会いが奇跡だと思わない?人との出会いと同じように。」
その亜美の言葉を聞いて華恋は再度ホワイトに目線を向ける。
(同じホワイトでも、もうこのホワイトとは2度と会えないかもしれない。
そうか。生き物との出会いってそいうものなんだ。)
「よし!!決めました!!」
そう叫ぶと華恋は立ち上がる。
「私、綿毛型妖精研究部に入部します!!」
そう勢いよく華恋は亜美に宣言する。
「おぉ。喜んで迎え入れるよ。
で?君、名前は?」
そう亜美が尋ねる。
「1年4組の華恋です!!
好きなのものはフルーツジュースとシール集めです!!」
「はいはい。名前だけで充分だよ。」
こうして、華恋の綿毛型妖精研究部での日常が始まった。
これからどんな綿毛型達と出会えるのだろうか。
〈今回の綿毛型の魔術〉
白い粉をかけた物や生物を浮かせる。
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