とっても無邪気なワタシタチ

おもながゆりこ

第1話

昔、アルバイトをしていた頃の事。




以前、飲食店で働いていたと言う男の人がいました。


その人がしたり顔でこんな事を言いました。


「冷たいおしぼりの事を、つめしぼって言うんだよ」


私たち女子は感心して言いました。


「へぇ、じゃあ温かいおしぼりは、あたしぼって言うの?」


その人は苦笑ぎみに言いました。


「いや、普通におしぼりって言う」


みんな自分たちの知らない世界の話のようで、聞き入っていました。


「ドンペリってシャンパンにもゴールドとかホワイトとか色々種類があってね。

ピンクのドンペリが人気あったな。ピンドンって呼ばれてた」


私たちは尚更感心して言いました。


「へぇ、じゃあゴールドはゴードン、ホワイトはホワドンって呼ばれていたの?」


その人が答えます。


「いや、普通に、ゴールドとか、ホワイトとか言っていた」


私たちは口々に言いました。


「ピンドンなんて、まるで欽ドンですね」


「あ、欽ちゃんのドンとやってみよう、ね」


「そうそれ」


「じゃあ私、そこに行ったらホワドンとか、ピンドンとか言わなくっちゃ」


「何か、どんぶりものが食べたくなってきたわね」


「ほんと、今日のお昼はどんぶりもので決まりね」


「わぁーい」


その人は仕方なさそうな笑みを浮かべ、黙っていました。




私たちはひたすら無邪気で、そしてアホでした(*^^*)




そしてその男性は、なんと、元ホストだったのです。


どびっくり!((((;゚Д゚))))

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とっても無邪気なワタシタチ おもながゆりこ @omonaga

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