「なつかし堂」へ ようこそ!!

@tsuji-dou

第1冊 タミヤウォーターラインシリーズとマブチ「水中」モーター

まだファミコンどころか電子ゲームすらなかった頃。

(この時点でトシがばれそう)


こどもの遊びと言えば、ほぼ野外での活動だった。

なにせ「子どもは風の子、元気な子!!」を熱烈推奨されていた時代である。

家の中でお人形遊びやブロック遊びをするなんて、

小学校入学したら卒業!ってかんじだった。


おにごっこやかくれんぼ、ろくむしやかかし、

おたまじゃくしとりやザリガニ釣り などなど。

あー、メンコにコマもあったっけ。

ただ、かの有名な「ベーゴマ」は一度もしたことがない。


こいつらの次に来たのが、プラモデルだった。

ガンプラとかまだなくスケールモデル全盛の時。


その中で一番最初に触れたプラモが

「タミヤ ウォーターラインシリーズ」だった。

「ウォーターライン」=喫水線より上、

海の上に浮かんでいる姿のみ再現している戦艦のプラモ。

解説書付きで、戦争の悲惨さなんかまだわからなかった

小学校入学したての自分にとっては、とてもカッコイイものだった。

車やバイクのプラモもあったけど、なにせ小学校入学したてで

あの「接着剤」がかなりの難敵だった。

車の構造とかわからないから、あちこちが開かなくなる・動かなくなる。

「超合金」に慣れ親しんだものにとっては、

「動かない」のはザ・ガッカリ以外のナニモノでもない。

その点でいくと、「ウォーターラインシリーズ」は、

可動部分こそないものの造形が緻密で、

空母なんかはちっちゃい戦闘機が山ほど付属していた。

しかも数mmしかないのに、水偵や戦闘機の種類ごとに形が違う!

金型作った人の執念が見えるようだ。

ただ、あまりに小さいので、遊んでいるうちに

「行方不明機」が多数でるのだけれど。


そうやって「大和」「信濃」「長門」「伊勢」など、

数種類作って並べて遊んでいたところ、

徐々に浮かんできた「浮かせてみたい!」という野望。

そして、何かのオモチャから取り外した水中モーター

「マブチ水中モーター」。


♪This is a battle ship~♪ This is a Mabuchi Motor~♪

・・Un‼

「大和うぃずマブチ水中モーター」の完成!


水中モーターをつけるためにあるような「まっ平」な艦底。

カンペキじゃあないですか これは!






・・・と、当時は思ったんだよ 思ってしまったんだよ!

そして試しもせずに近くの池に行ったんだよ!


モータースイッチON!

水面に「大和」をつけて、手を離す!!

いざ行かん、戦艦「大和」よ!

わが野望をかなえるのだ!


そして手を離した瞬間。






「戦艦」であるはずの我が「大和」は急速潜行を開始。

そして貴重な「マブチ水中モーター」と共に魚雷のごとく水中を爆進。

アレヨアレヨという間に

池の中へと永久に旅立っっていったのであった・・・


今もその池が残っているか知らないけれど、

もしその池から「マブチ水中モーター」がついた「大和」が発見されたら

それはワタクシのものに間違いありません。


・・・知らなかったんだよその時は!

「ウォーターライン」の下がホントはあるってことを!

あれが船の形だってホンキで思ってたんだよ!



せめてお風呂で試しておけば・・・

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