11.危篤状態の現実
現実世界ではケンジの体は病室から動いておらず、病室内では装置が様々な警告音を鳴らしていた。
「先生、チアノーゼです。血中酸素濃度が低下しています」
看護師が医師に報告し、判断を仰いだ。看護ロボットであるAIエージェントは二人の診察をサポートしていた。
「血中酸素が低下しているけど、全身状態に問題はない。警告音を止めて。たしか、この人のPCRの結果は、ベータ型だったな」
「AIエージェントのアドバイスを採用し、エクモを準備。ちなみに、エクモは何台残っている?」
「昨日までは残りはありませんでした。現時点では、2台の余剰があります」
「多分、この患者は大丈夫。今のところ患者の脳波も安定している。この患者はきっと回復するだろう。おや、この脳波は、どうやら夢を見ているようだ」
「先日まで入院していた大学教授はアルファ型だったな。予後はどうだった?」
AIエージェントは機械的に答えた。
「よい結果ではなかったようです」
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