第6話 心理的死角

圭「暴念さん! 下だ!」


暴念「おう!」


根岸さんが殺された..そして窓の外に人影と、ベッドも置いてあった。つまり犯人は外にあるベッドに飛び降りたのだ


急いで外に出て根岸の部屋の窓の下に行くと



圭「な、何だこれ。騙された...」


部屋から見えた人影は毛布で作られた物だった。ベッドと思ってたのもただ地面にベッドシートが敷いてあるだけのカモフラージュだった



騒ぎを嗅ぎ付け葵と美緒以外の全員が外に出て来る。圭は皆に起きた事を説明した


三滝「まさか殺されるとは」


光莉「私天才的な事閃いた! 今部屋に毛布とベッドシートが無い人が犯人じゃない?」


三滝「確かに、確認しよう」


確認した結果皆の部屋にベッドと毛布はあった。


外に出てこなかった美緒は葵の部屋の前で葵を呼んでいたみたいだ。美緒にも事情を説明し部屋を見せてもらう


暴念「美緒もある。あと確認して無いのは葵だけだ!」


圭「行きましょう!」


葵の部屋の前に立つ


三滝「葵! 出てきてくれ!」


葵「怖い...」


葵が震えた声で答える


美緒「大丈夫よ! 私もいるわ! お願い葵開けて!」


葵「美緒...」



ガチャ..葵がドアを開けると同時に暴念が勢い良く部屋に入る


暴念「おら!! Xとどうやって連絡してた!?」


葵「何!? 知らない!!!」


葵は号泣してパニックだ


暴念「おい! どうなんだ! 言え!」





パシンッッ!!





美緒が暴念を思いっきりビンタする


美緒「やめて! 毛布とシートだってあるでしょ!」



圭は驚いた。美緒が他人の事でこんな怒るなんて...よっぽど葵と仲良くなっていたのだろう



長宮「その通りだな。確かに毛布とかはある。しかし外の毛布がすでに死んだ人の物だったら?」



圭「死んだ人......あ!!」



皆で目田の部屋に行く。



光莉「無いわね...」


毛布とベッドシートは目田の部屋の物だった。


圭「...1人になったら殺される。皆に食堂で集まりましょう」




~深夜1時~ 食堂


三滝「とりあえず朝まで皆ここで過ごして、トイレに行く場合は同性の人が2人付いていく。いいね?」


長宮「こうなりゃ仕方ないな」


俺と暴念さんはチラチラ葵の方を見てしまう


美緒「ちょっと何? 葵を疑ってんの?」


圭「いや...その」


暴念「疑ってるよ、何故なら根岸は次葵以外の人が死んだら葵を疑えって言ってたしな」


葵「そんな...私知らない」


長宮「てか、1人だけ部屋から出てこない時点で怪しいんだよ。根岸を殺し部屋から飛び降り、自分の部屋の窓から戻ったんだろ?」


三滝「葵が部屋から飛び降りたかは分からない、上からベッドに見えたものはベッドじゃ無かったからだ」


暴念「それじゃ飛び降りたらケガするわな」


三滝「圭、毛布は一瞬だけ見たから人影に見えたけど1秒見てれば毛布だと気づけただろ」


圭「はい。ベッドも見えたから絶対飛び降りたと思って、一瞬見てダッシュで外に…」


三滝「そう。犯人はその心情を分かってやったんだ、視点を下にする為に。ちょっと2人付いてきてもらっていいかな?」


圭「はい」

暴念「おう」


三滝は2人を連れて旅館の裏に行く


三滝「昨日探索している時に見たんだけど、木の枝を伐採する為のかなりデカい脚立と太いロープがあったんだ」


圭「でもそれが何か...あ! これ!」


脚立が屋根にかかっていた。屋根に上ると、屋根のてっぺんから根岸の部屋の窓の上までロープが引っ掛かっている。


圭「俺が窓から下を見た時、犯人は真上にいたのか! そしてその後脚立を降りて従業員用の裏口から旅館に戻り皆と何食わぬ顔で合流した」


三滝「...え?」


暴念「バカ! 合流なんてするかよ! XだよX!!」


圭「あぁそうか! じゃあやっぱり林のどこかに...って、目田の毛布とかはどうしたんですかね? 俺昨日暴念さんが部屋にいてあんまり寝付けなかったんですよ。だから隣の目田の部屋からベットシートを外そうとしていた奴がいるなら僕が音で気づいてると思うんですが」


暴念「建物探索している時目田の部屋に毛布とシーツがあったのは覚えてるぜ」


三滝「なるほど、ありがとう。その謎も考えておくよ」


食堂に戻り俺達はこの事実をみんなに伝える


長宮「上手くしてやられたな」


三滝「でももう大丈夫。今から警察が来るまで単独行動を避ける」


葵「警察がくるの?」


三滝「俺は同居してる仕事仲間に2泊3日で旅行に行く事と場所も教えてある。今日が3日目だから帰ってこず連絡も無ければ何かあったと思うはずだ」


光莉「良かった。一生ここかと思ったわ」



~3日目午前6時50分~



皆朝食を食べ終える


光莉「ずっと皆でここはキツイんだけど」


三滝「じゃあ部屋に戻るとしても鍵をかけて必ず誰かとペアでいる事。これは絶対だ」


美緒「じゃあ女子は3人で私の部屋にいましょ」


暴念「俺は圭とだな」


長宮「じゃあ俺は探偵さんと」


三滝「よし、じゃあ皆解散。 ...あ、圭! ちょっといいかな、欲しい物があるんだけど」


圭「何ですか?」


三滝「源田の死体に落ちてた林の正確な地図だ」


圭「それですか、いいですよ」


そうして各自部屋に戻る


~暴念の部屋~ 午前7時


圭「どうしてペア僕なんですか?」


暴念「当たり前だろ! 圭は昨日あんま寝付けなかったって言ってただろ? 俺も圭の部屋の床だとあんま寝れなくてずっと起きてたのよ。だから圭が犯人じゃない事は分かってる! Xと連絡を取る素振りも無かった!」


圭「ありがとうございます。俺も暴念さんの事信用しています」


暴念「ふー...めっちゃ水飲んでたらトイレしたくなった。部屋のトイレでもいいけど見回りの為共同トイレ行くか?」


圭「嫌ですよ! しかもそれ僕の飲みかけですし! もう無為に部屋でるのやめましょう」


暴念「そうだな、昨日全く寝れてないしトイレ出たら2人で寝よう」


圭「はい、疲れたしぐっすり眠れそうです」


圭はふと外を見ると、三滝さんと長宮さんが外に出ていた



~三滝の部屋~ 午前7時

三滝「ちょっと行きたい所があるんだけどいいかな?」


長宮「いいよ、付いてかなきゃどっちかが死ぬだろ」


そうして2人は圭から貰った源田の死体の場所が書いてある地図を持ち外に出かける


長宮「どうして死体の場所に?」


三滝「源田はマスターキーを持っていた。でも犯人は元々マスターキーを持っているから源田から奪う必要は無い。つまり源田はまだマスターキーを持っている」


長宮「なるほどね」



そして10分後、死体を見つける


長宮「本当だ、マスターキーあったな」


三滝「あぁ、でも拳銃が無い」


長宮「拳銃を奪っておいてまだ使ってないという事は...何か起きる予感だな」



~美緒の部屋~ 7時


光莉「美緒、あんたはいいわよ! でも葵と同じ部屋になんかいられないわ!」


葵「うっ…」


美緒「光莉! 大丈夫だから皆でいよう!」


光莉「嫌よ! 信用できないわ! 何か隠してそうで気味悪いのよ! もう出てく!」


美緒「光莉! 1人で出てったら殺されるよ」


光莉「チェッ...」


そして光莉は無言のまま1時間くらい過ぎる。美緒と葵は楽しそうに話す


光莉「あーもう腹立つ! 私陰キャ嫌いなのよ! 葵早く出てって!」


美緒「光莉~!」


光莉「早く出てけ! どんだけいい顔しても人殺してんだろ!?」


葵「あれは事故...」


美緒「やめて!!」


光莉「もういい、私が出てく。皆がペアで見張ってるなら私だけ1人でも殺されないでしょ」


美緒「ちょっと光莉! ...出てっちゃった。葵、あんなの気にしちゃだめよ!」


葵「うん、私もちょっと部屋戻るね」


葵の顔は驚くほど暗くなってる、美緒は葵を止めることは出来なかった


美緒「そう...すぐ戻ってきてね」


葵も部屋に戻り女子は全員1人になった




その2分後





バーーン!!!!!!





圭と暴念は銃声で目を覚ます


暴念「なんだ?」


圭「まさか!」


2人は急いで廊下に出ると、三滝と長宮も部屋から出てきた


長宮「1階からだな」


4人で1階に行くと美緒がドアを叩いている


美緒「どうしたの!? お願い出てきて!」


圭「そこ、誰の部屋だっけ」



ガチャ...


美緒が叩いてるのとは別の部屋のドアが開く






光莉「ちょっと何の騒ぎ?」



光莉が出てきた、という事は美緒が叩いてる部屋は葵の部屋だ



三滝「美緒どいて!!!」



三滝がマスターキーを使って葵の部屋を開ける



美緒「あ.........あぁ.......」



葵は銃で頭を撃たれて死んでいた



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