第27話 2024/09/05 私の名字、加福について

どもどもー、加福 博です。変わった名字ですよね。多くの方が中国系かな?と考えられると思います。多分、そうらしいです。私の先祖は、江戸初期から代々、オランダ語の通訳、翻訳を行うオランダ通詞だったのですが、その江戸初期とオランダの関係に興味を持った元朝日新聞の記者が、数年前に我が家に冊子を送ってきて、あなたのところの先祖は中国人ですという。確か、文献の出典は書かれていたと思うのですが、私はその文献を読んでいないので何ともいえません。しかし、いきなりあんたんとこ中国や言われてもなー。はっきり言って頭に来た。というのも今の日中関係は険悪なものだからです。日本人にあいつは、中国人だと言われるのも嫌だし、また中国に行ってもお前は日本人だと言われるでしょう?先祖が日本に来て私は、もう十二とか十三世くらいで、私は身も心も日本人ですからね。私は野球が好きですが、去年の日米のプロ野球戦なんか日本が勝ったときにどれだけ狂喜乱舞したことか。しかしまわりの日本人は、私のことを中国人だと思っている。だから、私は信頼のおける人には、うちの先祖中国やと言っているし、変わった名前ですねと言われたら頭にきて、うち、中国ですと語気を強めて言っている。朝日新聞の記者で思い出すのが元大阪市長の橋下徹さんの出自問題だ。あれは週刊朝日が彼が被差別部落出身であることを書いて、大騒動になり、結局朝日側が頭を下げたが、ジャーナリズムは真実を伝えるものであるから、書いて何が悪いと突っぱねることもできた。しかし、朝日は負けを認めた。バカだね。それじゃあ、最初から書かなきゃ良いのに。日本での被差別部落問題は、まだまだ厳しい。うち部落ですというのを私はあまり聞かない。私が知っているのは、一昨年亡くなった作家の宮崎学先生が、部落解放同盟から依頼を受けて日本全国の部落を視察して、取材した。その中で、とある部落であなたのお父さんは、ここの出身だったんですよと言われ、そのことを近代の奈落という本に書いた。私が、言いたいのは自分からカミング・アウトするのは良い。しかし、暴くというのはどうなのか。私の場合もそうで、クソみたいな朝日の元記者にそんなこと言われたくないわい。お前、迷惑いうもんを考えんのか?と言いたい。ただ、面白い話があって、私の先祖がオランダ通詞の前に何の仕事をしていたのかというと、おやじによると、海賊やといって大爆笑しているのだが、まあ、北欧のバイキングのように貿易の仕事も担っていたのだろうと思いますがね。

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