第4話

ガサガサ


俺の本能だか直感だかが告げている。


『逃げろ』


すぐさまかけ出す。

振り向くとそこにはワニと猪を合わせて2で割った様な化け物が居た。


『ボアリゲーター』 魔の森にはこびるE級の魔物。


_魔物.....外にて見られる化け物の事。ダンジョン産と違い、自然発生しない。_


頭に情報が流れ込む。

何だこれは?

あのジジイのおまけか?

いや、そんな事は後だ。

目の前に脅威が迫っている。


相手はワニと猪のキメラみたいなものか

確かワニって口開く力が弱いんだっけか?

いや、猪の突進もあるから意味があまり無さそうだな。


猪は突進するイメージがあるのでとりあえず木を避けつつジグザグと走る。


「ブモ!!」


なんか鳴いてる


え?

アイツ速くなった

なんで?魔法みたいな事してんじゃねえよ!

あ、魔法...この世界魔法あったな.....

バフ的なヤツをかけたのか。

そのせいでジグザグと走っても瞬発力が上がったようで、真後ろに着いてくる。

更に、前に向かって駆けると速度も上がる上がる。


あれ、これやばくね


また死ぬのか...?

いや、絶対死んでたまるか!もう多分2回死んでんだ!!十分過ぎるんだよ!!!


とは言ったものの対処法が見当たらない。

アイツ速すぎるんだよ!

ん?、速すぎる.....


「そうか!」


思わず声が出た。

我ながらとても良い作戦を思いついた。




そして今、俺は真っ直ぐ走っている。

何故かって?見てたらすぐわかるさ。


「ブモヮ!」


ワニ要素少ねぇな


ヤツが前進モードに切り替える。

それを確認した俺は木の方に駆け出す。


そうだ。俺の作戦は木ギリギリの所まで引き付け、すぐ避けるという単純な作戦だ...って


「うわぁ!」


背中全体が痛い。


突進されたようだ。

だが木はすぐそこ。悲鳴をあげる体を無理矢理起こし、何とか近づく。


「ワニィ!」


相手もここで仕留める気だ。

てかワニ要素ここで出てきたな。


一歩、また一歩と進む。

あ、やばい限界だ____





『『『レベルが上昇しました。』』』





背中が痛い。だがそのおかげで意識が覚醒する。

目の前を見ると頭が潰れたボアリゲーターが居た。


「俺が..やったのか....?」


『スキル《累乗》を確認。《累乗》を使用してステータスを統合しますか?』


なんだ?

これは所謂神の声的なやつなのか?

とりあえず

「はい」


『ステータスを統合しました。レベルアップに必要な経験値が高くなりました。』


というかこの魔物を倒したからレベルが上がったのか?


「《ステータス》」


___________________

【名前】  アオバ リント

【種族】  不明

【レベル】 1→3

 

【HP】   1→5^5

【MP】   1→2^2


【攻撃力】 1→1.3^1.3

【防御力】 1→1.3^1.3

【魔力】  1→1.3^1.3

【素早さ】 1→1.3^1.3

【魅力】  1→1.3^1.3

【運】   1→1.3^1.3


【ステータス上昇率】0.1


【スキル】

 成長速度上昇

 累乗

【加護】

 転生神の加護(レベル上限撤廃、博識(現在判明しているもののみ))

【格】

 F-

___________________


これは俺も強くなれるかもしれないな

一般的なステータスがどのくらいかよく分からないが、レベル上限が無いからワンチャンあるな。

必要取得経験値が上がるのがネックだが。


見慣れない項目も増えているから今度よく見てみよう。



あとがき


^は累乗を表します。

成長速度上昇はレベルアップを指します。

ちなみに1.3^1.3は1.4064566732378861103463942013039433387609348252175です。多分。


空白のサイズは気分によって半角か全角か変えます。

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