気づいたら2036年にいた

atti

第1話 とある学校の一日

「おーい岸本さん、ハンカチ出して」




「あ、はい!」


そういったのは今年入ってきた新しい副担の和田先生。数学を教えてくれるが、英語の発音がものすごくうまい。そして、野球部の顧問をやっている。


毎日やるハンカチチェックで、ボーとしちゃった。保健委員会の浅野から聞いた情報だとみんな毎日ハンカチ持ってきていたら保健室から、クラス宛てに賞が贈られるらしい。まあ、どうでもいいことだけど。そんなうちに学年委員の話になっていた。




「えー今日は特別日課四十五分授業です。六時間目に移動教室があるので、授業が終わったらテキパキと動いて掃除しに行きましょう」




まあ、そうだな。早く戻ってこれたら、ほうきが出来る。けど、今日は雨だ。滑らないようにしないと。


岸本はこの前雨の日で走って戻った時、岸本の前を走っていた桑原という人が滑ったせいで後に続き滑って衝突事故を起こしてしまった過去がある。そんなことを岸本が思い出していたら、気づいたら朝の会が終わっていた。


一時間目道徳、二時間目社会、三時間目英語、四時間目国語と普通に授業が終わってしまった。普通に生活すると時間が早く感じる。最近、そんなのが多い。


そして、いよいよやってきた部活の時間。僕は、それほど卓球は強くはない。むしろ、弱い。だから、ランクはみんながA~Cぐらいだけど僕はD。低いほうだ。そんな僕だけど、大会の時は本当に運がいい。一回戦目は必ず勝ててしまう。そんな感じで気持ちが上がるけど、二回戦目は負けてしまう。しかもこれが三回も続いている。




「終わり」


「はぁい」




気づいたら、五時四十五分。部活動終了時刻。片付けが終わり、最後は顧問の先生の話を聞く。




「明日は東中学校との練習試合があります。帰ったら早めに寝て明日に備えてください。」


顧問は真剣に言った。




「気をつけ、礼」


「ありがとうございました。」




今日も学校生活一日が終わった。あとは帰るだけ。




「ちょっと岸本、いい?」




そう言ってきたのは、最近卓球部に入部してきた坂田だった。彼は僕と仲良く、最近は物語作りのことを話している。帰り道は最近彼と一緒に帰ることが多い。




「それでね、どうしてもストーリの最後がうまく書けないんだよね」


「まあ、少し気持ちは分かる」




そんな物語作りの話をしているとき、




「おーい坂田、顧問が呼んでるぞ。早く学校に戻ったほうがいいぞ」




あれは誰だったっけ?あまり他の友達と関わりがないからなー。




「ごめん岸本」


「まあ、いいよ。それより早く顧問のところに行ったほうがいいよ。」


「じゃあ、また明日の入れ替え戦で」




そんな坂田と会って話すのは、実はこれが最後だった。


そんな一人になった僕は、しょうがなくあれこれ考えながら帰った。


あとちょっとで家だ。そう思って横断歩道を渡った時、




 ビィーーーーーーー




道路の自動車確認をし忘れていた。もしかしてこのままひかれる?




「やっと完成したよ。この「221A」改造プログラム」


「まじで大変だったな。これ終わったら、飲みに行こうぜ」


「いや、まだ早いよ。でもこの後だったらいいぜ」




複数人の声が聞こえる。誰の声だ?


そんなうちに車がどんどん近づいてきている。もう、僕は終わり?


そんなうちに気を失っていった。

続く

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