久しぶりに再会した幼馴染3姉妹がそれぞれ違ったデレかたをしてくるんですが?

マキマキ(更新停止中)

お試し版①

「久しぶりだな、7年ぶりか?」


「久しぶりなのはそうだけど、どうして私があんたと一緒に住まないといけないのよ!?」


「久しぶり、ずっとずっとずーっと会いたかった」


「ひ、久しぶり……」


数年ぶりに会った幼馴染3姉妹はすぐには声が出ないくらい綺麗で可愛くなっていた。


***


「あんた、明日引っ越すんだよー! 荷物の準備はできてるのー!?」


「まだやから、今から準備しますよー!」


一階から家全体に響き渡る声で母さんが叫んでくる。それに対抗せんとばかりに声を大きくして返事をする。

3ヶ月前、高校進学を機に上京する事を決めていた僕は東京で住む部屋を探している所に、幸運にもある一本の電話が入った。


『え!? 沙世利すせりさん!? そんな!? ほ、本当に良いんですか!?』


『もう夜だよ、母さん。もう少しボリューム下げて』


もう夜の11時近いのだが一階で大声を出しながら誰かと話す母さんに少し注意をしようと自分の部屋から階段を降りた所だった。


『あんた、沙世利さん覚えてるよな?』


『え? 隣に住んでた、3姉妹の……』


その名前には聞き覚えがあり、忘れる事もない名前だった。


『そう、その沙世利さんや』


『で、それがどうかしたの?』


『東京で一緒に住んでいいって……』


『へ? 誰と?』


沙世利さん家は数年前まで隣に住んでいて、自分が生まれてから引っ越すまでの間、沙世利さん家の3姉妹とは随分仲良くさせてもらった記憶がある。

おじさんとおばさんは今海外で働いているらしいが、3姉妹は日本に残ったそうで、引っ越した東京で住んでいるらしい。

そこに自分も住んでも良いとのことだった。

大丈夫なのか? というのが第一に頭に思い浮かんだ言葉だった。

自分と同じくらいの年齢の人と一緒に住む、まして同居相手は3姉妹である、何かあってからは遅いのではないのだろうかと思ったのだが、そこは長年の付き合いという事で信頼されているらしい。むしろ僕なら大歓迎とのことだそうだ。

両親は東京の家賃に頭を悩ます予定だったので、そこに舞い込んできたこの話が嬉しくないわけがなかった。そこから話はトントン拍子で進み、3姉妹からの許可も出たとの事で、僕は高校進学と上京、そして数年前の幼馴染3姉妹との同居生活が始まる事になった。



***



「やっと着いた……。まだ最寄り駅だけど……」


新幹線で京都から東京まで、そこから一体どこに繋がっているのか分からないくらいの路線図と睨めっこしながら、何とか乗り継ぎをして最寄り駅まで着く事ができた。

そこから徒歩数分圏内の場所に家はあるらしい。

見ればすぐに分かるという事なので、『そんな分かりやすいのか?』と思いながらも歩みを進めると、明らかに周りの家とは一線を画している豪邸というのが相応しい家がそこにはあった。

家の前には大きな門があり、自分1人では開きもしなさそうな物だった。

本当にこの豪邸なのかと思いながら、恐る恐るインターホンを鳴らす。

ピンポーンと音を発し、待つ事数秒、インターホンのカメラから確認したのか、門が開く。しかも自動で。

その事に関心しながら、家のドアまで歩くと、勝手に開けてもいいのかと思いながら、ドアノブに手をかけようと、手を伸ばした瞬間、ドアが内側から開き、見覚えのある……見覚えのある? 3姉妹が姿を現した。


「久しぶりだな、7年ぶりか?」


「久しぶりなのはそうだけど、どうして私があんたと一緒に住まないといけないのよ!?」


「それはもう済んだ話でしょ。それよりも久しぶり、ずっとずっとずーっと会いたかった」


「ひ、久しぶり……」


どこか見覚えはありつつも、昔の記憶よりも数倍…数十倍…いや、何倍かでは表せないくらい、見違えるほど、見惚れるほど、綺麗に可愛くなっていた。


「とりあえず、入れ。京都からこの家まで長かったろう?」


これからお世話になる家に僕は足を踏み入れた。



***



「今日からこの部屋を使ってくれ、元は客人用だが、親が居ない以上客人も来るはずないのでな、送られてきた荷物も置いてあるから、移動の疲れが取れたらでもいいし、まぁ、落ち着いたら整理してくれ。とりあえず今持っている荷物を置いたら、リビングに来てくれ」


「………はい、分かりました」


「やめてくれ敬語なんて、昔は使ってなかったじゃないか」


「………えっと」


久しぶりに会った事で、昔はどんな感じで接していたのか思い出せず、敬語になってしまった。しかし、敬語じゃなくても良いと言われても中々いきなりは昔のように接するのは難しい。なんか王子様と接しているみたいだし。


「もしかして私の事を忘れてしまったのかい? 悲しいなぁ」


「えっ、いや、そういうわけじゃ…」


「ふふ。まぁ、いい、とりあえず荷物を置いたらリビングに来てくれ」


そう言い残すと彼女は部屋を後にし階段を降りて行った。

1人残された部屋の天井を何気なく見る。

目を瞑ると小学生の頃の記憶が蘇る。


『今日は何する? 鬼ごっこ? それともかくれんぼ?』


「お姉ちゃん、みことは私と遊ぶの!』


「みことにぃ、おままごとしよ。 みことにぃがパパね、私がママやるから。………もう、パパったら寝ちゃって、起きて〜朝だよ〜』


あの頃は彼女たち3姉妹と毎日のように遊んでいた。ある日は自分の家、またある日は彼女たちの家を行き来して遊んでいた。

3姉妹が引っ越しをするまでは………


「起きて〜、夜だけど」


それはあまりにも突然の出来事だった。別れの挨拶も少しも出来ずに彼女達は隣の家から引っ越しをしていた。


「京都からここまで来てるのよ? 疲れてるんだから寝かせてあげなさないよ」


まぁ、引っ越した後も、母さん達が連絡を時たま取り合っていたので、不思議と淋しい感じはしなかった。


「それもそうだな、今日は起こさないで寝かせてあげよう」


「………あれ?」


目を開くと僕を取り囲み覗き込むようにして3人の顔が視界に入ってきた。


「お! 起きた!」


「もう! 仁結みゆがうるさくするから!」


「まぁまぁ、起きてしまったんだから仕方ないじゃないか」


「も、もしかして僕、寝てましたか!?」


凄く焦っているのに3人は気づいているのか一度笑ってから口を揃えて言った。


「あぁ、寝ていたぞ。しかも………」


「「「ぐっすりと」な」ね」


今日からここで居候させて頂く分際がとても失礼なことをしてしまい、後悔と自責の念で押し潰されてしまいそうだった。





お試し版どうだったでしょうか!? まだまだ物語は序盤なのでこれからどんどん話が進んでいく予定です! 今回は3姉妹それぞれが違ったデレ方を主人公にする物語になる予定です! 1話だけではほとんどデレる部分がなかった(というか全く)ので皆さんの反応次第でこの続きが書かれますので、❤️と⭐️、あとコメントも待ってます!


5月28日追記:自分が思っていたよりも読者の皆様に好評だったのでこの話の続きを書きたいと思います! しっかりとストックを貯めてから投稿したいので時間はかかってしまいますが、今年のカクヨムコンに向けて書き進めることにします!


5月30日追記:お試し版②を投稿しました!①と②で比べてどちらの方がいいか判断をしたいと思っております! どうかお試し版②も読んでみてください。

※①よりもヒロイン達が喋ります。

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