スターチルドレン

第2話 自分の子供なんだよな

　それは妻が去年いつの間にか妊娠していたのだ……。

　そして……

　今年娘が生まれた。

　単純に妊娠からの期間を遡れば、あの時期しかない。

　でもどういうわけか、その事を妻に問いただすと、彼女も変なことを言うのだ。

「去年のあの時期に、私は一度も性行為なんてした覚えはないわ！？」

　そんなことを言うのだ、一体これはどういうことだ？

　身体を入れ替えたことで、こんなリスクが有るとは考えもしなかった。

　別に子供がいらないわけじゃない。でも、俺は妻とあの時期していないんだ……。

　でも、身体は俺の身体のまま、自分の子供なんだよな……。

　目は俺に似ていて少し生意気なところがあり、唇は妻と同じ形をしていて少しぷっくりとしている。

　俺はスターチャイルドを授かったのだと考える事にし、余計な事を考えることを止めてテレビをつけた。

「いや～～今年は本当に良い年になりそうですね」

「えっ、どうしてですか？」

「なんと、なんと今年の出生率はバブルに近い数値を叩きだしたんですよ」

「ええ、それは言いニュースですね」

「ええ、これで日本の将来は安泰です」

「さて、次のニュースです。東京都台東区で何者かが刃物を使って……」

　さっきのニュースを聞いたあと、俺は暫く何も考える事が出来なかった。

　━━完━━

　次のページは解説へと続きます。

　より意味を理解されたい方、自分の答えと一致しているか確認されたい方はどうぞお進みください。