なぜか俺が完璧女子なクラスメイトと付き合うことになり、それが妹たちにバレ、ヤンデレ化していってるんだが
北宮冬馬
突然の告白
「ずっと清人君のことが好きだったの。だからわたしと付き合ってください!」
ある日の放課後、帰ろうと思いロッカーを開けると謎の手紙が入っていた。
手紙には明らかに女子の文字で"今日の放課後二号館三階の空き教室で待っています"と書かれていた。
で、約束通りそこに行くと非常に見覚えのある女子が待っていて、告白してきたという王道すぎる展開に突入した。
「こ、こんな俺でよかったら...ぜひよろしくお願いします...」
え?普通はいきなり告られ、動揺して結局保留にする?まずはお友達からと言うのがお決まりのセリフ?
いや、そんなことが言えるほど俺は出来上がっていない。
せっかくこの俺
こんなの即OKに決まっているだろ。
「じゃあ改めてよろしくお願いします。清人君」
「こちらこそよろしくお願いします。
俺に告白してきたのは同じクラスの
彼女は誰がどう見ても完璧と言う言葉がふさわしい人間だ。
勉強は常に学年1位で部活も陸上部でかなりの好成績を残している猛者だ。
性格もまさに天使と呼べるもので、誰に対しても常に笑顔で接し、男女問わずたくさんの友達がいる。
それに加え、顔はまさに男子高校生のあこがれと言えるほどのアニメに出てくるような女の子顔だし、身長も高くスタイルもいい。
髪の毛はちょうどいい長髪で薄ピンク色。
胸もそれなりに大きい。
それに比べて俺は本当に平凡な人間だ。
勉強は学年で見たら平均より少し上ぐらいだが、スポーツに関しては並みの男子高校生よりもできない。
顔も凄くイケメンってわけでもないし、身長も男の平均よりも少し小さい。
それに加えてコミュ障も備わっている。
あれ?もしかして俺平凡以下のスペックじゃね?
こんな俺に超強者女性とも呼べる桐乃さんが告白してきた理由は見当もつかない。
見当もつかないが、今はそんなことどうでもいいじゃないか。
今は自分で自分を祝福しよう。
「清人君恋人になったわけだし今日は一緒に帰らない?」
「も、もちろん」
意外とぐいぐい来るな桐乃さん。
まぁもしかしたら今の時間帯にまだ下校している奴がいるかもしれない。
そいつらに陰キャ判定されていた俺があの桐乃さんと一緒に帰っている姿を見せつけることができる。
しかも今日は雨だ。
俺は傘を持ってきているが、もし桐乃さんが傘を忘れていたというベタな展開になったら...
「あ、あのね。今日私傘持ってきてないの。だから...も、もしよかったら清人君の傘にいれてくれるかな...?」
はい相合傘確定演出来ました!
「全然いいよ」
「ほんと?それじゃ昇降口まで行こうか」
2人で階段を降り、昇降口に出る。
「それじゃあ失礼します」
桐乃さんが俺の傘の中に入ってくる。
俺の傘は少しサイズが小さい。
そのため、二人で入るとなるとどうしても密着する必要がある。
現に今桐乃さんは完全に俺の体に密着している。
...胸が押し付けられていて興奮しているというのは悟られないようにしよう。
ていうかこうしていて初めて気づいたんだけど、俺の方が身長低くね?
桐乃さんはあくまで女子の中で身長が高いと思っていたが、まさか男子の身長ほどあるとは。
でも、なんだか彼氏より彼女の方が背が高いというシチュエーションもそれはそれで...
「どうしたの清人君?」
「え?」
「なんだかさっきから顔が赤いけど?」
「あっ、な、何でもないよ」
あぶねぇ。
俺が興奮しているのがバレるところだった。
自身の興奮を抑えながら帰路である住宅街を歩く。
「あ、そういえば清人君」
「ん?どうしたの?」
「まだわたしたち連絡先交換してないと思って」
確かにそうだった。
お互いクラスのグループメッセージには入っているが、お互い連絡先は交換していなかった。
というか異性の連絡先は親と妹たちのしか持っていない。
まぁ大半の男子高校生がそう...だよな?
「清人君の家ってどこら辺なの?」
「このままずっとまっすぐ行けば着くよ」
「じゃあわたしの家とは結構離れてるんだね。わたしはあそこの路地を曲がるから。傘入れてくれてありがとう」
そう言って桐乃さんが傘から出ようとする。
「あ、あの...」
「?なに?」
頑張れ俺!
「も、もしよかったらこのまま家までついて行っていいかな?」
よく言った俺。
我ながらずいぶん成長したと思う。
「え?いいの?」
「どうせ帰ってもやることないし。それに桐乃さんがこのままずぶぬれになって帰るのも嫌だからね」
「ありがとう!」
よし、彼氏の第一歩として少しはいいところ見せれたかな。
「清人君は優しいね」
「そ、それほどでも//」
「そういうところに惚れたんだよね」
い、いきなりそんなこと言われたら過呼吸になってしまう。
「あ、ごめんね、もうわたしの家に着いちゃったみたい」
「え?もう?」
「ほら、あそこのお家だよ」
桐乃さんが指さした方向にまるで建築会社がホームページに載せているかのような四角い大きな一軒家が立っていた。
「ごめんね。せっかく清人君がついてきてくれたのに路地曲がってすぐについちゃって」
「いや、全然大丈夫だよ。結果的に最後まで桐乃さんが濡れなくてよかったしさ」
本音を言えばもう少し一緒にいたいという気持ちもあった。
「それじゃあ清人君。また明日ね!」
「じゃあね桐乃さん!」
桐乃さんが家の中に入っていく。
それを見届けて俺はその場でガッツポーズした。
間違いなく今日は今までの人生の中で一番幸せな日だ!
俺はそんな最高な気分で家に帰った。
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