『ワールズエンド - from kitchen』(499文字)

皿洗ってたら店長が、あと3分で世界は終わるとか、言ってきた。

ほんとかよ、嘘つけよ。

でもなんか、テレビがすごいうるさい。

なんだなんだ。

道路からもクラクションが聞こえるぞ、夜中なのに。

赤ちゃんの鳴き声もする。

色々うるさいな。

店長も、よく見れば電話してる。

なんだなんだ。

ほんとなのかな、もしかして。

ドッキリ?いや、俺は有名人じゃない。

エイプリフール?は、もう終わったし。

終わるのか。

隕石、とかかな。

それとも、宇宙人でも攻めてきたかな。

あるいは、ビッグバンの逆が起きたとかかな。

なんだろ、テレビ見る限りはなんか、どうにも、ああ、だめだな、なんかCMやってる。

ニュース見たいのにな。

なんで終わるんだ。

というか、ほんとなの?それ。

ほんとかな、嘘なら嘘って言ってよ。

嘘って言ってくれよ。

それか、ほんとだよって、言ってくれよ。

わからないのがしんどいよ。

ほんとかな、嘘じゃないかな。

まあ、とりあえずこの皿だけ洗っちゃうかな。

スリッパ履いて、蛇口ひねってと。

ん、蛇口硬いな。

きつくしめすぎた。

お、水出た、スポンジとって。

次に洗剤だ。

そしてその次は、ん。

窓が、なんだ。

あ、ほんとなんだ。

ああ、そっかあ。

皿も洗えなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る