第12話 魔改造…
さて、WEアルファドック責任者のタイラーさんが残した記録映像は、なんと1時間45分にも及んでた。人類創世の歴史から、歴史的出来事、歴史的人物の映像など…あまり本題と関係ないけど…それらを交えたちょっとした映画でした。でもほぼ人類に対する愚痴。
そしてメッセージの最後に本題が。
アルファドックのライブラリーを参照し、「
そのメッセージ部分はわずか5分。
プロローグが長すぎる、あんな映像いる?、緊急性が感じられない、人類が滅んだのはそのせいじゃないかしら?
と言うツッコミは失礼なので、私は早速ライブラリーへ接続し、ドック内設備の使用方法を学び、自らの最終艤装とやらを始めた。艤装といってもほぼ改修。改修する部分は主機と制御系、それから荷電粒子連装砲のチャージシステムの更新、生産プラントの増設…、特に主機については、ライブラリから知識として習得はしたけど、なんのことやら理解が追いつかない。
単的に言うと『反転重力炉』に『術式』を追加するというモノ。では術式とはなんぞや?と申しますと、『仙術』なるモノです。仙術とは、えーと…西洋風に言うと『魔術』?
この『仙術』による『術式』を主機に施すと言うお話しでした。ほほう…
……って、ちょっと待てーい!
何故ここにきてファンタジー要素!?
未来の世界ってどうなってんの!?
ライブラリには『仙術』は近代まで秘匿された技術体系で、実は遥か太古の昔から存在していたと記録されてる。公にされたのは宇宙開拓時代の黎明期、それまでは軍事転用される事を避ける故の措置だったと理由付けされてる。
…でもギリギリまで隠して、人類が滅んだのだとすると、マヌケナハナシ、だわ。
ただ仙術は万能じゃないらしいわ、物理法則は曲げられないし、術式の発動にはそれ相応の等価エネルギーが必要になるそうです。
主機に施される仙術式は、重力反転で漏れ出てしまうエネルギーを対価に使い、重力縮退の加圧を増幅させて炉に返すと言う新式循環仙術式。…新式ってなんやねん。
コレによって、補機エーテル炉による主機への『縮退加圧』が不要になり、補機のエネルギー効率98.9%全てを艦内電力や荷電粒子砲を含めた兵装類に使用出来る様になる。そして術式を加えた主機に至っては400%のエネルギー効率を得る事が出来る、よって総計498.9%のエネルギー効率をって……498.9%ってなに?、
どう言う計算なの?、おかしくない?、余剰がありすぎるんじゃないの?、エネルギー漏れまくり?、これはもう魔改造よね……よく見たら「四苦八苦」って、落語じゃないんだから。
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