第2話 誰だよお前は!!
――とある冬
「ああああああああぁぁぁ!! やめてやる!やめてやる!」
私、誠花(せいか) スミレは泣きながらクソ長い階段を降りていた。
理由は色々。
1つ、ずっと付き合っていた彼氏が急にバイトの女に恋をして私を振った。
2つ。私が汗水たらして働いていたサークル学親会のメンバーが私に嫌がらせをしてくる。頑張ったのに褒めてくれないし、少しのことでイチャモンをつけ、振られたばかりの私に見せつけるかのようなピンクの雰囲気!はぁ、何が学校のためだ。出会い場じゃないかクソ!
3つ!この大学にいいやつはいない! 下心丸出しの男に2回引っかかり危うくホテル行き。
大学の先輩が言っていた「この大学の男はやめとけ」とかいう言葉に根拠がついていく。ダメだダメだ!
「もう嫌だなあ」
私は溢れそうな涙を顔を上にあげて耐えた。それにしても、この階段124段あるらしい。長いよね。何が単位数だよ。
車椅子の子がいても一向にエレベーターは出来ないし何なんだこの学校。
顔をあげていると……ふと星が光った。
こんな真昼に星が光るとは何事だろう。
「ん?」
そして、その星は少しづつ大きくなっている。まるでこの階段を目指すように。
あっ、死ぬわ。これ。
そうだな。生まれ変わったらイケメンハーレムとかの世界に行きたいな。
ドカーン
大きな光が階段に突き刺さった。しかし、地は揺れることなくただ光っただけだった。
私は生きてるらしい。そして、光が消えると同時に人影が立っていた。
「――!」
なんだこの美少年。まつげ長いし、艶のある髪、目はキラッキラだし高身長に細い腕。
これはイケメンだ。量産型のアイドルよりかっこいい。
そして、その男は私の顔をじっと見つめていた。
「驚かせてしまったようだ。だが、お前は派手なのが好きだったから気に入っただろ。」
「?」
「俺はお前に会いに来た。ずっと待っていたが、生まれ変わりというものをしたと友に聞いたからな。お前がいない世界はつまらない。それにしてもここは……どこだ。それに見た目が大きく変わったな?」
「……」
彼は私の手を握り顔を近づけてくる。
「……誰!?」
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