ゲーム・2

 前半7分代。

 

 12対16。


 チーム・リタが負けている。

 

 前半が8分を経過したところで、プタラがホイッスルを鳴らす。


「チェンジ!」


 チーム・リタは、【ライアン、エレナ、雄大】が下がった。


 ビンとリタは残ったままだ。代わりに【小松、ディエゴ、ジェフ】が入った。


 チーム・キマイラは、バヤハとタクノを残し、【カル、ザヤ、スムル】がコートに入った。


 このチェンジ制ルールは、チームキマイラが決めたオリジナルのルールだ。


 この公園にはバスケ経験者、未経験者、初心者、上級者、色々な経験値の人間が集まっている。


 なるべく全員がゲームを楽しめるように強制的な途中交代を取り入れたらしい。


 未経験者・初心者にはハンデがある。通常の2点ゴールが3点、3点ゴールが4点に変わるのだ。


 スムルが「行くぜ」と不敵に笑った。


(一体どんなプレイをするのだろう…)


 雄大には興味があった。


 プタラが「再開!」と、ホイッスルを鳴らした。


────────────────────


 「あ…」


 味方のカルに貰ったパスを弾いて、受け損ねるスムル。


「何やってんだよ!」


「何回ヘマすんだ! お前にはもうボールは回さん!」


 バヤハとタクノに怒鳴られ、しゅんとするスムル。


「なんか意外というか⋯思ってたのと違うな⋯⋯」


 コート外の雄大が感想を言った。


 横のライアンが「ああ、だな……」と同調する。


 遅いドリブル。ゴールに届かないシュート。


 スムルは、めちゃくちゃ下手だった。


 それでも結局、チーム・キマイラが【40対32】のスコアで勝利した。

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