第13話 【会話】

最近は勉強して、ミルと雑談して、3人でご飯を食べるを繰り返している。

勉強を初めてから2ヶ月程経過した。

この2ヶ月はかなり充実していた気がする。

だけどこれじゃ ただのヒモじゃないか?

いや でも共通語は日常会話+αくらいは話せるようになった。

ミルいわく少し違和感はあるけど問題ないって

言ってたし安心だろう。


今日はカレンと初めて会話してみようと思う。

カレンとミルの会話は70%くらい内容を理解することができたし、会話できると思う。


まあ カレンが起きるまで待とう。


「かなり言語が上達してきましたね、

こんなに早いなんてびっくりです」


「ミルさんのおかげですよ。

ありがとうございます。」


「カレンの前では念話を使っていましたからね」


「なんでカレンさんの前では念話だったんですか?」


「え? それはカレンの驚く顔が見たいからですよ。 楽しみですね。」


まさかそのためだけに今までカレンの前では

念話を使うようにって言ってたのか...


「実は今日カレンさんと話しみようと思うんですよ。」


「え! そうなんですか? それはいいですね

ヒカルさんがいきなり話し出したらどんな顔をするんでしょうね」


凄くワクワクしてるようだ。

俺も楽しみだ


「ドサッ ガチャッ」

物音と扉の開く音がした


「カレンが起きたようですね」


いよいよだ。 なんか急に緊張してきたな。

平常心... 平常心...。


そうするとカレンがリビングに来た

「おはよー ミル姉」


「おはよう カレン」


「おはようございますカレンさん」


「...? なんか挨拶が一つ多い気が...」


「カレンさん おはようございます。」


「...ええっ! 君話せるようになったの?

いつの間に?」


カレンは凄く驚いた顔をしている。

正直 素っ気なく

「ふーん 話せるようになったんだ 良かったね」

とか言われるかなと思ってた

もしそう言われてたらかなり悲しいけど...


「カレンの驚いた顔が見れて良かったです。

今まで隠していた甲斐がありましたよ」


「えー 今まで話せること隠してたんだ

ひどいなー」


「すみません...」


彼女はかなりフランクに話してくれる

明るい人だ


「まあ いいや 君とは話しみたいと思ってたんだよー」


「僕もです あの時は助けていただきありがとうございました。」


「いや 気にしないでよ なんか「君」と呼ぶのは

堅苦しいね なんて呼べばいいかな?」


「ヒカルって呼んでください」


「じゃあ呼び捨てで呼ばせて貰うねヒカル

私のこともカレンって呼び捨てでいいよ」


「いや カレンさん で...」


「そっか もうちょっと仲良くなったら呼び捨てで呼んでね」


彼女は明るい 明るすぎる...

俺が陰すぎて上手く話せないかもしれない。

いや 頑張ろう 彼女は命の恩人なのだから

しっかりと会話をしないと。


「えーっと 僕は色々して貰ってばかりなので

何か出来ることはありますか?」


「出来ること... うーんそうだねぇ

じゃあ私と一緒に冒険者 やる?」


「え!カレンそれは危ないのではないではないですか?」


「でも ヒカルやる気みたいだし。

魔力の有無とかも知りたいし 自衛もできておいた方がいいと思うけど」


「別に冒険者じゃなくても、他に仕事があるのではないですか? 働かなくたって家の家事手伝いでもいいですし...」


「まあ それでもお金は足りるけどさ

ヒカルが辛いんじゃないかな?」


「それはどういう?」


「僕は皆さんに助けてもらってばかりです。

なので何かを返したいです。」


「まあ別に冒険者じゃなくたっていいけど

まずはお試しでやってみよう

もしかしたら戦闘の素質あるかもしれないしね」


「頑張ります でもそういうのには縁がない世界で生きてきたので 不安ではあります」


「まあ 向いてなかったら他の仕事すれば

いいしね。ミル姉のやっている魔道具作りとか」


「魔道具? ミルさんがたまに何か作ってたのですか。」


「そうだよ 魔力を少し流すだけで火とか水とかを生み出せるんだよ 魔力量があまりない人でも簡単に魔法が使えたりするんだ。」


「そうなんですか」


どういう仕組みなんだろうか...

まあそのうち聞こう。

それよりも冒険者か...俺に務まるだろうか?

だが魔法が使えるかは気になる。

よし一回やってみよう それでダメだったら

他の仕事をしよう

そうして元の世界に帰る方法を探して行こう

...帰るべきなのか?


「じゃあ いつ行く? 今からいく?」


「いや ダメです。今日は家に居て貰います 」


「どうして?」


「色々 教えたいこととかあるので」


「教えたいことって?」


「冒険者の心得とか...」


「ふーん まあいいや そしたら明日からに

しよっか」


「はい わかりました」


教えたいことってなんだろう? 冒険者の心得?

ミルは冒険者じゃないのに そういうことはカレンに聞いた方がいいのでは?

まあいいや 何か考えのある事だろう


「じゃあ 私はこれから 依頼をこなしてくる

から またね ヒカル ミル姉」


「行ってらっしゃい カレン」


「頑張ってください」


「頑張ってくるよ」

カレンは笑いながら手を振って冒険者ギルドに向かった


「どうして 今日じゃだめだったんですか?」


「え? それは...」


何かあるのだろうか? 焦っているように見える

もしかして 言葉づかいとかおかしいところがあったから勉強をしろということなのだろうか


「今から 勉強でもしますね」


「...今日はやらなくていいんじゃないですか

まあ お話でもしませんか?」


「お話ですか?」


「はい 冒険者になったら会話出来る機会が少なくなるので」


「...もしかしてそのために明日からって言ったんですか?」


「ち、違いますよ! 」


違かったららしい... でも心無しか顔が赤くなっている気がする


「...本当に冒険者になるんですか?」


「いや まだ分かりませんよ 」


「わかっているとは思いますが 冒険者は危険です。もしかしたら死んでしまう可能性もあります。」


「はい」


死か...考えていなかったな でも彼女達の役に立てるなら


「まあ カレンがいれば大丈夫だと思いますけど それでも死なないでください。死んでしまったらとても悲しいですから」


「もちろんですよ」


ミルは心配そうな顔をしている、

彼女に心配をかけないためにも頑張ろう。

確か魔力の有無が大事らしいな

魔力があれば少しは安心してくれるだろう


「僕は死にませんよ」

何はともあれ俺は死ぬつもりはない

俺のためにも彼女のためにも











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奪還物語 -俺が全てを取り戻すまで- 誰かの腰巾着 @kosiginntyaku

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