第7話 【この世界】
.....
眩しい
もう朝か...
俺は重い瞼を開いて体を起こした。
昨日は食事のあとは家の紹介とかをして貰ってから部屋に戻って寝たのだ
おぼつかない足取りでリビングに向かった。
リビングには誰もいなかった。
部屋に戻ってもう一睡しようかと考えたが、
それではいけない。
彼女達が俺のためにいろいろやってくれているのに俺は呑気に二度寝なんて...
椅子に座って彼女達を待つことにした。
ボーッと20分ほど待っていると
((おはようございます。
朝早いですね。))
先に起きてきたのはミルのほうだった。
((おはようございます。))
((では軽く朝食でもとりましょうか。))
((はい))
((ではいまから作るので待っててください))
((僕も手伝いますよ))
((いえ、大丈夫ですよ簡単なものなのですぐに終わりますから))
((そうですか...何から何まですみません))
((気にしないでください))
((ところで カレンさんは起こさなくていいんですか?))
((はい、カレンは朝に弱いのでなかなか起きないんですよ。 なので起きてきたら自分で作りますよ。))
((そうなんですか。))
俺は違和感に気がついた
((そういえば僕たち目を会わせなくても念話できていますね))
((ええ 最初は意識的に相手に意思を伝えとようとしないといけません。そので目を合わせると意識しやすくなるので最初は目を合わせないといけないんです。ですが何度も会話を重ねていくうちにコツみたいなものを覚えるので目を合わせなくても大丈夫なんです。))
((そうなんですか))
((でも貴方は他の人に比べて一番早く念話を
マスターしています。
正直 自然な流れで念話していたので気づかなかったです。))
((それは嬉しいです。僕も念話が使えたらカレンさんとも直接会話ができるんですけど...
誰とでも念話ができてミルさんはすごいですね羨ましいです。))
((..... ありがとうございます))
少し彼女の顔が曇ってしまった。
もしかしたら俺は失礼な事を言ってしまったのだろうか、少し褒められたからって調子に乗って話すからこうなるのだ...
どうしようまずはとりあえず謝らないと
...でも何に対して謝るんだ?
まずは何が失言だったか聞いてから...
((どうしたんですか? そういえば念話はある程度近くにいないとできません。距離は半径約7メートルくらいです。あと障害物を挟んでの会話はできません。))
彼女は何事も無かったかのように話を始めた。
俺の気のせいかだったのか だったら杞憂だったな。
((お待たせしました))
彼女は朝食を運んできてくれた。
朝食はパンとスープと飲料だ。
((ありがとうございます。))
自分の分の食事を運ぶと彼女も座った。
そして2人で手を合わせて
「いただきます」
「イタダキマス」
今日の味付けはスープはカレーに似た味がして飲料はブドウっぽい味がした。
((そういえばこの世界のことを詳しくは話していませんでしたよね。))
((はい 聞きたいです。))
((もちろんです。
まずは5つの国について話しましょう。
それらはもともと最初は大きな一つの国でした。
その国を一人の王が仕切っていたのですが 、王の目につかない国の端々では戦争や飢餓などが頻発していました。
そんな状況を打開すべく王は元々1つだった国を6つに分けてそれぞれに1人の王を配置しました。するとだんだん戦争や飢餓はなくなっていき国は平和になっていったのです。
当日は純粋な人族しか住んでいなかったのですが、国の外れにある村々から他の種族を招き入れて 、国はさらに大きくなっていきました。
ですが、ある時悲劇が起こったのです。
その日いつもと同じようにして他の種族達を招き入れようと考えていました。そこである人が言ったのです。
今度は魔族を招き入れないか 、と
反対する人が大半でした。
魔族は強く 恐ろしい 、そんな奴と交流するなんて正気の沙汰ではないと
ですが男は主張します。
あの気難しい長耳族だってきてくれたんだしきっと魔族もそんな悪いやつじゃないんだと。
そして4人の魔族を迎え入れる事にしました。
...
その日 1つの国は滅びました。
4体の魔族に滅ぼされたのです。
他の5つの国王は怒り狂い魔族を滅ぼすために戦争を始めました。
魔族は人族の国かずっと遠くにある大陸
ゼル大陸というところで魔王によって統治されています。
そんな地に何十万、何百万という兵を集めて
戦争をしました。
最初は魔族の圧倒的なまでの力に手も足も出せませんでした。多くの人々が何も残せないまま死んでいきました。
もう 勝てない...
そんな圧倒的な力に絶望していたとき
天から一筋の光がさしました。
その光に照らされた魔族は苦しみ焼けて死んでしまいました。
断末魔が響く中天から羽の生えた人が3人降りてきました。
そこにいた一人がこう言います。
我々は天人族である。貴様らが戦い死んでゆくのを見ていた。だがもう耐えられぬ 我々が
貴様らに手を貸してやろう と
人々は藁にもすがる思いで彼らに頼りました、
天人族は直接 魔族を倒すことはありませんでした。
代わりに人々に力と知恵を授けました。
人々は彼らから戦う術を学び 、魔族の弱点や魔法を教えて貰ったりなどしました。
そしてようやく人々は魔族を倒す事に成功します。1人倒せれば2人 2人倒せれば3人といった感じで倒せるようになって来ました。
ですが天人族は
このままでは消耗戦になり貴様らは負ける。
一時休戦にしてその時が来るまで力を
蓄えておけ と言いました。
人々は苦渋の決断を下し、魔族への攻撃をやめました。
これが今から200年ほど前の話です。
現在は魔族との冷戦状態になっています。))
((へえ そんな事があったんですか))
((はい...ところで私は考えたのですが
貴方の名前はクロキ ヒカルさんでしたよね))
((はい ヒカルって呼んでください))
((わかりました。ヒカルさん
勉強をしましょう!))
...
え?
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