古の魔神は平和を享受する
秋朝彩夏
第?話
「う~ん、あれから結構経ったけどある意味寿命で死ぬことができるとは思わなんだ」
俺はベッドの上でハキハキと、しかし確実に命火を賭して喋る。
「お前ならもっと寿命を延ばせたはずだ」
確かに俺の力ならば寿命は延ばせただろう、それこそ幾千年も…
だがしなかった。いや、出来なかったのだ力を使いすぎて。だが俺にとっては十分濃密な時間だった、悔いはない。
「師匠、私たちもあと数年もしない内にそちらに行きますよ」
「そうだな、奴等も向こうで元気にやっているだろう。俺に悔いはないからな、こうにやって戦争は終わったし!奴等に会う時も笑顔で会えるってもんさ」
「…お前は本当に…いや言うまい。だが伴侶が欲しいと嘆いてたじゃないか」
「うるせぇ、しょうがないだろこんな生活してたら無理だわ。それに俺は…」
「…すまない、ひどいことを言った」
「師匠…」
「いや俺こそ悪いな、辛気臭くして」
その後俺達三人は許す限りの談笑をした。
「あぁ…そろそろ時間だわ、またいつかな二人とも」
そういうと二人は頷き、少し悲しむ顔をする。
そんな辛気臭い顔しないで笑顔で送ってくれよ、友よ。と思いながら俺は視界がぼやけていき意識が沈む。今度こそ二度と目が覚めないだろうなと思いつつ。
この日俺は友であり仲間の二人に看取られ、死んでいった。
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