近くの神社

 今年の春に越してきた家から徒歩3分くらいのところに、最寄りの神社はある。


 境内は桜の木々に囲まれている。桜の季節のとき、満開の花に囲まれた神社がいつもより縁起良さそうに見えた。深夜にも関わらず、お祈りしたのを覚えている。


 今年の桜は満開になった直後に風雨が過ぎていったので、満開の桜を眺める時期は短かった。風雨が過ぎた空の青が、少し散ることでできた花の隙間に映る様子はかえって趣深い。花の桃色、葉の緑、空の青が重なり合う様子がとても綺麗だった。


 散る花の隙間に覗く空の青


 さらに花は散り、今では見上げる視界に映るのは一面の青。葉だけが残り、太陽の光を受け止めている。


 山口素堂の一句が思い出される。


 目には青葉


 住宅街に囲まれた神社なので、山ほととぎすのさえずりは聞こえない。


 初鰹、くらいは食べてもいいかなぁ。

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