コインランドリー
最近雨が続いている。
五月雨というのだろうか。日々の寒暖差からも、温暖前線と寒冷前線が攻めぎあっている様子が身に染みて感じられる。梅雨は近いのだろう。
となると、洗濯物は乾きにくくなる。部屋干しは嫌だ。コインランドリーへ行くこととなる。
最寄りのコインランドリー。¥100で12分の乾燥。財布の小銭入れには¥200。お札を崩すのも億劫だ。24分の乾燥で済ませることにした。
このウォーンと乾燥機の回る音以外、全てが無の時間。本を読む。
この時間がとても好きだ。似たような時間で言うと、電車で本を読む時間。しかしながら、電車に乗るときは、大抵車窓の外に気が散ったり、疲れていたりするので、正直あまり読書は進まない。
それに対してこのコインランドリー。
じっくりと本を読んだ後に待っているのは、ふっくらと暖かい自分の衣服。柔軟剤にも拘っているとなると、匂いも触感も尚更ふんわりだ。
本を読んで、現実から離れてふわりとしている自我に、別の意味でふわりとした衣類を乾燥機から取り込む。そして両腕にあたたかなふわりを持って帰路につく。
この時間のなんと幸せたることか。
これこそ自然の恵みたる雨がもたらす、私にとって最も幸せな時間なのだろう。
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